寺社めぐりの途中で手作りの甘味にほっとする
京都にたくさんある甘味処の中で、機会がある毎に訪れたくなるのが、銀閣寺にほど近い『㐂み家』(きみや)さんです。北に銀閣寺、南に南禅寺がある鹿ヶ谷通に面していますが、哲学の道に比べて通りを歩く観光客もやや少なくて落ち着いた佇まい。お店の表に揺れる「豆かん」の旗が目印です。
『㐂み家』は、2000年2月オープン。北村れいこさん、渡辺裕子さん姉妹が営む小さな甘味のお店です。店内は和のイメージではなく、白い壁に洋風の椅子とテーブルが配されており、シンプルで落ち着いた雰囲気。女性のひとり客も多いのだそう。
右:店主の北村れいこさん
「豆かん」が名物ですが、冬に訪れたら、ぜひ食べたいのが「京風白味噌雑煮」。
お椀の蓋を取ると、柚子のさわやかな香りがたちのぼります。その後を、まったりとした白味噌とお出汁の香りが追いかけてきて、食欲をそそります。ひと口いただくと、その上品な風味に思わず笑顔に。とろりととろけるようなお餅の上には、むっちりとした食感の生麩。優しい味わいのお雑煮です。
「京都らしいお雑煮を楽しんでいただきたくて」と北村さん。たっぷりの昆布でとったお出汁に、有名割烹も使っている老舗の白味噌を溶いて作っています。野菜も何も入れないシンプルさ。お餅は自家製なのだとか。
心まで温まる、寒い冬の間だけのごちそうです。
2014.01.12(日)