“F”に込められた思い
――今回の映画のタイトル“F”には、そんな友だち(FRIEND)の意味が含まれているのでしょうか。
加隈 今回、“F”が何かというのは、実ははっきり明示されていません。プロデューサーからは、「一人ひとりが感じた、それぞれの“F”を持ち帰ってほしい」と言われました。
個人的に、ましろは、今回の映画ですごく友達が増えたので、FRIENDのFはあてはまると思います。でも私の中で“F”が何かということは、まだ明確に言葉にできていません。いつか言葉にできる日がくるのかはわかりませんが、自然に湧きあがってくるのを楽しみに待とうと思います。
――FINALの“F”ではないかと思っているファンもいるようです。
加隈 いま、何が起こるかわからない時代です。毎年映画を作りたいと思っても、それが叶うかどうかは、誰にもわかりません。だから、この作品が仮にもし「プリキュア」映画シリーズの最後になるとしても、悔いがないようにスタッフ全員、全力で作りました。
プリキュアって、スタッフも声優も、もちろんファンの方も、かかわるすべての人の熱量がすごく高い作品なんです。生きていく中でこんなにも熱い情熱を持って何かに取り組むことって、そうないと思います。そういう意味では「ファン」の“F”でもあると思いますし、子どもからかつて子どもだった大人までフル世代で愛される映画、という“F”でもあると思います。
20年分の想いを繋ぐこの映画を見て、ぜひご自分の“F”を見つけてほしいと思います。
『映画プリキュアオールスターズF』9月15日(金)全国公開
2023.09.16(土)
文=相澤洋美
撮影=杉山秀樹