映画『ある男』で第46回日本アカデミー賞最優秀助演男優賞を受賞した、俳優の窪田正孝さん。受賞スピーチでの、「映画の力は本当に無限。いろいろな人の心を温めてくれたり、言葉じゃないものを教えてくれる」と映画愛を尽くした言葉が印象的だった。
そんな窪田さんの最新主演映画は、俳優としても活躍する齊藤工さんが監督を務めた『スイート・マイホーム』。『臨床犯罪学者 火村英生の推理』でW主演を飾って以来、共演を重ね親交も深めてきたふたり。双方のラブコールがかない、齊藤監督の作品に窪田さんが出演することとなった。
物語は清沢賢二(窪田さん)一家が購入する“マイホーム”が舞台。その家や賢二の周辺で不審な出来事が立て続けに起こり、賢二は次第に追い詰められていく。窪田さんの繊細な演技が、戦慄を引き立てている。
映画では混乱と恐怖の表情を存分に見せてくれた窪田さんだが、プライベートでは実に穏やかな日々を過ごせているという。最近、自然に意識が向き始めたという窪田さんに、まずは近況から語っていただいた。
窪田さんの偏愛アイテムは?
――『CREA』秋号は「偏愛の京都」特集です。窪田さんの“偏愛”アイテムから、まずは教えていただけますか?
僕にとっての偏愛アイテムは、何と言ってもお米です。
以前ハワイへ行ったときは、キッチンがついているホテルを探して、日本からお米を10合くらい持って行きました。向こうはどうしても洋食が多いので、和食が食べたいから持って行ったんです。
――そうなると確かに偏愛アイテムですね!ちなみに、ハワイではどんな過ごし方をされたんですか?
とにかく自然を感じたくて。ハイキングコースを探して森を歩いたり、登山したりして過ごしていました。ハワイの空は真っ青で、東京の空とは全然違うなあと思いました。
「本当の空ってこんな感じかあ……!」と感動しましたし、肺の奥まで呼吸できた感じがします。向こうでは、すごく眠れましたし。
――心が開放されるんですかね。
そうかもしれないです。最近、どんどん自然が好きになってきているんですよね。身体にも意識が向くようになって、ちょっとデトックスしたり、プチ断食したりもしています。
2023.08.31(木)
文=赤山恭子
撮影=佐藤亘
ヘアメイク=菅谷征起(GÁRA)
スタイリスト=菊池陽之介(RIT inc.)