この記事の連載

 1981年、尾山台に誕生したオーボンヴュータン。以来、実に40年以上にわたり、伝統的なフランス菓子を作りつづけています。

 唯一無二のおいしさと、ひとつひとつのお菓子が持つストーリー。79歳の今日も元気に厨房に立つ河田勝彦シェフが語るフランス伝統の焼き菓子のおいしさとは?

 【毎日オーボンヴュータン】でお会いしましょう!


#27 ショコラ・ルー(CHOCOLAT LOURD)

 ガナッシュをそのまま焼き上げたような、半生感覚のチョコレートケーキ。

 卵と砂糖を泡立て、溶かしたビターチョコレート、薄力粉、カカオパウダー、溶かしバターを合わせて型に流し、湯煎にかけて高温のオーブンで手早く焼き上げます。

 「湯煎にかけることと火を入れすぎないことで、この質感が生まれます」と、河田シェフ。

 ねっとり、なめらかで、舌の上でゆっくり広がるビターで重厚感のあるチョコレートの風味とコクが圧巻。表面を覆うカカオパウダーのほろ苦さが、その味わいを引き締めます。

 ボンボン・ショコラを味わうように、じっくり楽しみたいひと品です。

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河田勝彦(かわた かつひこ)さん

1944年東京生まれ。まだ菓子職人がフランスに渡ることが少なかった時代に、8年間フランス各地で修業を積む。1981年に「オーボンヴュータン」を開店。古き良きフランスの伝統を貫き、骨太な菓子で日本のフランス菓子界を牽引し続ける存在だ。

AU BON VIEUX TEMP(オーボンヴュータン)

所在地 東京都世田谷区等々力2-1-3
電話番号 03-3703-8428
営業時間 10:00~17:00
定休日 火・水曜
https://aubonvieuxtemps.jp/

※ラインナップ、価格等は2022年取材当時のものです。

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2023.08.10(木)
文=瀬戸理恵子
撮影=合田昌弘