加谷 非常に現実的なお話ですが、堅実でいいと思います。物価高の今、お金で買えるものの持つ意味は確実に変わっています。これまでは経済が成長しているから、収入さえ増えれば欲しいものは何でも買うことができ、そのことが、人々が働いてお金を得ることへのモチベーションになっていた。翻って今の日本は、恒常的な不景気で収入は上がらず、それに物価上昇が加わるという状態。まさに「働けど働けどなお我が暮らし楽にならざり」で、一生懸命働いてお金を稼ごうとか、それで楽しいことにお金を使おうといったモチベーションを持ちにくい世の中になったと思います。これでは皆が疲弊するばかりです。
(本稿は2023年3月20日に「文藝春秋 電子版」で配信したオンライン番組をもとに記事化したものです)
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加谷珪一氏と原田ひ香氏の「三千円の幸せな使いかた」全文は、「文藝春秋」2023年6月号と、「文藝春秋 電子版」に掲載されています。
2023.06.13(火)
文=原田ひ香、加谷珪一