すでに話題になっていて、今さら聞けないマネーについての話を、ファイナンシャル・プランナーの花輪陽子さんがやさしく解説。脱マネーアレルギーをめざして!


賃貸 VS 持ち家
「事情」によって答えは変わる

 ファイナンシャル・プランナーの花輪陽子です。「賃貸 VS 持ち家」というのは永遠のテーマで、専門家の間でも議論されるテーマですね。

 絶対にどちらという解はなく、ライフスタイルやマネー事情によって、どちらが向いているのかは変わります。判断する際に重要なのは数値化して冷静に考えるということです。

実家を相続する人は有利!
賃貸のメリットとは?

 さて、賃貸のメリットとしては、身軽でライフスタイルの変化に対応しやすいということが挙げられます。

 人生100年時代。この先に続く長い人生では、転勤や結婚などのイベントや、天災が起きるリスク、日本の社会問題(超高齢化社会)、家やマンションの修繕問題などがあります。

 持ち家の場合、こうしたリスクから自分だけでなく、マイホームも守っていく必要が出てきます。戦略的に考えていかないと、マイホームが重荷になってしまう可能性もあるのです。

 また団塊の世代の住居の多くは持ち家です。親から持ち家を相続する際に、その子がマイホームを持っていない場合、「家なき子」だからこそできる節税もあります。

 持ち家のない相続人が「小規模宅地等の特例」を使い、亡くなった親などの住んでいた家の土地を相続すると、土地の評価額を8割も下げることができ、大幅な節税につながるのです。

 配偶者と同居親族のうち法定相続人がいない場合に限り、離れて暮らす家なき子が相続をしてもこの特例が認められます。将来的に実家を相続する予定があるといった人が賃貸に住み続けるのは、実はメリットが大きいのです。

2019.09.23(月)
文=花輪陽子