この記事の連載

女2人の気ままな生活を切り取りたい

――漫画を読んでいたら、友達同士のルームシェアに憧れる気持ちが芽生えました。

kame ありがとうございます。漫画では、「女2人でも、気ままに楽しく生きられるんだよ」と伝えたいと思っています。読者から「癒される」って言われることもあるので、生活のマイナス面は描かないようにしています。といっても、マイナスなことはほとんど感じていないんですけど(笑)。

――連載のきっかけは?

kame 製版会社でオペレーターとして勤務していたんですが、退職してフリーランスになったんです。その時友達に紹介してもらったアルバイト先の雇い主がファッションエディターの大平かりんさんでした。

 しばらく勤務していたら私の担当する仕事がなくなることになったんですが、その時、かりんさんが食事に誘ってくださって。かりんさんは、当時私がエッセイ漫画をSNSにアップしていたのを見てくれていて、「今度ルームシェアをすることになった」と話したら、「面白そうだからその話を連載しない?」と誘ってくれました。

――運命的ですね。漫画では、文字が手書きなのが印象的でした。絵の伸びやかな線と合っています。

kame ありがとうございます。個人で発信した漫画もすべて手書き文字でやっていて。かりんさんが「かわいいからそのまま続けたら」と背中を押してくれました。

――漫画でのこだわりを教えてください。

kame おいしいご飯やレシピは読者に興味を持ってもらえることが多いから、なるべく出そうと思っています。あとは、私一人で完結する回でも、ほかの登場人物に出演してもらっていますね。

 登場人物のTシャツに私とぼっちゃんの好きなアイドルを描くことも。下巻のvol.20「わたしってば何だかすべて忘れてしまうね」では、漫画家の岡崎京子さんの作品タイトルをもじっているので、岡崎京子さんのイラスト風Tシャツを着ています。時間に余裕がない時はやってないんですけど。

2023.06.09(金)
文=ゆきどっぐ
撮影=榎本麻美