島の東西でまったく異なる“旅カルチャー”が育まれているハワイ島。まずはイーストサイド・ヒロの街へ、昔懐かしいハワイを探しに行こう。


濃厚なローカル感で愛おしくなる街

 ホノルルから飛行機で約55分のヒロは、ハワイ州第2の都市。キラウエア火山をはじめとしたボルケーノ観光の拠点であり、海辺にはグランド-ナニロア-ホテルなど快適なステイもある魅力的な街だ。

 旅人が利用しやすい交通機関は整備されていないが、近年はシェアサイクル“HIBIKE”も登場。レンタカーがなくても、街巡りを楽しみやすくなっている。

 さて、ヒロの魅力といえば、ホノルルに次ぐ都会であるのに、高層ビルなどはなく、古い街並みがしっかり残っているところ。

 小さなお店で守り継がれる昔ながらの味、大事に使われてきた様々な国のヴィンテージ、地域を愛する生産者たちの丹精込めた逸品……。

 ブランドショップもなければ、スターシェフのレストランもない街だが、ここには日々を大切にする人々の暮らしがあり、そこに寄り添う多彩なモノ・コトに出会えるのだ。

 なお、ヒロといえば“雨の街”。ハワイ語ではヒロに降る霧雨を「カニレフア(花の音)」と呼ぶ。レフアの花から滴る雨水が葉に当たって奏でるパラパラという音……。それがいかにもヒロなのだ。

 そんな話を聞くと、この街の雨ですら愛おしくなってくる。

2023.03.23(木)
文=矢野詔次郎
撮影=熊谷 晃
コーディネート=宇都克仁

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※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。

この記事の掲載号

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