音楽ビジネスとITに精通したプロデューサー・山口哲一。作詞アナリストとしても活躍する切れ者ソングライター・伊藤涼。ますます混迷深まるJポップの世界において、この2人の賢人が、デジタル技術と職人的な勘を組み合わせて近未来のヒット曲をずばり予見する!
さて、2013年12月にリリースされる中から、彼らが太鼓判を押す楽曲は?
【2013年12月に流行る曲】
Honey L Days「涙のように好きと言えたら」
旬のプロデューサー「ヒロイズム」が手がけた楽曲
山口 4回目となりました「来月、流行るJポップ」ですが、過去の答え合わせをしてみましょう。先月採り上げた、きゃりーぱみゅぱみゅの「もったいないとらんど」はオリコンシングルチャートの初週8位でしたね。
伊藤 オリコンだと8位でしたかぁ、もっとバズってる感じしますけどねぇ。
山口 そうですね。ライバルも多かったですが、やはりシングルCDの売上だけでは、曲の影響力が測れない時代になったなと思います。先々月の黒木渚の「はさみ」は、オリコンシングルチャート初登場27位で、4週にわたってランクインしました。これはインディーズとしては、大健闘で、良い目の付け所だったかなと思います。
伊藤 間違いないですね、予想通りのジワジワ系で広がりをみせていますよ。
山口 月末のライブのチケットがSold Outして、来年はホールコンサートを計画しているようですよ。期待しましょう。さて、今回は初めての男性アーティスト、Honey L Daysですね。
伊藤 はい。
山口 作詞作曲とサウンドプロデューサーは、今、乗りに乗っているヒロイズムさんですね。最近は、KARAの「フレンチキス」(YouTube)のプロデュースワークもすごく良かったです。今年、31歳、まさに旬のサウンドプロデューサーですね。
伊藤 彼とは、僕がジャニーズでプロデューサーをやっている頃からの付き合い。今でも一緒に曲作ったりしている仲間です。
山口 海外プロデューサーとのCo-Writing(共作)も精力的にしているようですが、あれも伊藤さんのセッティングですか?
伊藤 セッティングってほどじゃないですね。海外の出版社が日本人プロデューサーを探していたので紹介しただけです。
山口 ジャニーズへの登用と、海外共作と、大きなきっかけをつくった伊藤さんは、ヒロイズムさんにとって、恩人ですね。
伊藤 いえいえ、ただの仲間です(笑)。
山口 良い関係ですね。さて、Honey L daysのKYOHEIさんとヒロイズムさんは大学の同級生なんですよね?
伊藤 みたいですね。一緒にバンドもやっていたって聞いています。
山口 昔のバンド仲間が、それぞれ別の道で一人前のプロになって、また一緒にやっているって良い話だなと思います。
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2013.11.27(水)