奔流のようなパッションと生命力。今、東欧がアツい!
クラシックの世界に「東」ブームが来ている……演奏会に足を運び、新譜をチェックしながら日々その確信が強まるばかりの私です。
東といっても日本や中国ではなく、オーストリアより東のヨーロッパ、バルカン、トルコ、バルト3国、ギリシアあたりの地域のことなんだけど、複雑に入り組んだ歴史の事情などもあり、このエリアの音楽はとてもエキゾチックで、中東やアジアの伝統音楽の影響が見え隠れしているのです。
もちろん、この地域出身のクラシック演奏家は今も昔も多数活躍しているけれど、これまでは比較的、自らの「血沸き肉踊るDNA」を隠してきた人が多かったように思う。クラシックの中心地であるドイツ・イタリアの生まれのアーティストが「都会っ子」だとするなら、「田舎出身」の彼らは都会の法則に足並みをそろえながら、アンコールに「お国もの」を披露する程度に抑えていた印象がある。ワールド・ミュージックとクラシックの壁というものが、截然としてあったのです。
しかし! クラシックは貴公子の音楽で、民族音楽は庶民の音楽……なんていう区別は、もはやダサいだけなのかも知れない。リトアニア出身の若手アコーディオン奏者、マルティナスの登場は、新しい時代の幕開けを感じさせてくれる。
2013.11.12(火)