「自分に優しいお片付け」でお部屋改革スタート

「ちょっと不便だな。ちょっと気になるな。でもしょうがないか」

 そんな風に、毎日の暮らしに見え隠れする違和感に気付かないフリをすることは、誰にでもあるんじゃないかと思います。

 細かいところにこだわっていたらキリがないし、収納を見直している暇もない。わかります。現代の生活はとにかく時間に余裕がないもの。さらに、お金をかける余裕がないときもあれば、そもそもじっくり考える心の余裕がないときもあります。

 でも、ちょっと待ってください。この記事を読めば、お片付けがいつもより楽に感じられるかもしれません。整理収納アドバイザーの岡本あつみさんが提唱する「自分に優しいお片付け」は、忙しい人や余裕がない人への暮らしの処方箋。

「ここが使いにくいな、少し気になるな、と感じたら、自分のその声を大事にしてそこをちょっと改善する。誰かのために片付ける必要はなくて、自分を快適にできるかどうかを大切に。みんな他の人には優しいのに、自分の不快感に関しては見ないフリをしたり、我慢したり。自分に対して厳しいですよね。もっと自分を甘やかして、楽をさせて良いのに、と思います」

 そんな風に語る岡本さん。いつもは他人を喜ばせるために使っているちょっとした優しさを、試しに自分自身に使ってみる。それが、岡本さんがすすめる「自分に優しいお片付け」。

 自分が感じた不快感をすくいとって、少し快適にしてみましょう。そうした細かいところから自分を幸せにしていくことができるんです。身のまわりの小さな一歩から、プチプラで。自分に優しい、お部屋改革スタートです。

イケアの人気バスケット「RISATORP リーサトルプ」が、ひとまわり大きくなって登場

 イケアが好きで、定期チェックは欠かさないという岡本さん。

「1カ月に一度くらいの頻度で行っていますが、行く度に発見があります。このバスケットは発売直後に見つけて、その場で購入。元々、定番サイズ(25×26×18cm)を持っていて使いやすさはわかっていたので、こちらのサイズ(27×42×23cm)も間違いないと思いました。『RISATORP リーサトルプ』の魅力は、スチールと木製ハンドルの組み合わせの絶妙な可愛さですよね」

 バスケットそのものが可愛く、なおかつシンプルなので、片付け初心者にも使いやすいアイテムです。仕切りがないため大きなものをそのまま入れることができ、難しいことを考える必要がないので、“まとめて入れる”簡単な収納を始めるのにぴったり。

 ただし、勢い余って不要な収納アイテムを買い過ぎてしまっては本末転倒。

「何かを試すときは最初にまとめ買いするのではなくて、まずひとつ使ってみてから判断するのがおすすめです。実際に使ってみて自分に合っているか、どんな場所でいくつぐらい必要なのかを確認してから揃えるとムダがありません」

100円以下で手に入る、イケアのシューズバッグ「PÄRKLA ペルクラ」

「こちらも、定期チェックのときに見つけて即決したものです。試してみたところ使い勝手が良かったので、すぐに買い足しました。シューズ用のバッグとして売られていますが、小物収納にも使えます。イケアの大きなタグは、手で簡単に剥がせることを最近知りました。ペリペリと気持ち良く剥がせてクセになります(笑)」

 大きな靴だと1足、小さな靴なら2足入るサイズ。ショートブーツや長靴など特にかさばるものは片方ずつ分けて収納します。箱にしまうより場所を取らないので、一人暮らしのコンパクトな玄関でも活躍しそうです。

 うっすら透けていて中身の見当がつくので、ラベリングが面倒な方にもおすすめ。何より可愛いデザインと、可愛いお値段が魅力。気軽に揃えやすく、これだけで収納に統一感が出せるのがポイントです。

2023.03.21(火)
文=松山あれい
撮影=平松市聖