小6の学芸会がきっかけとなった役者への憧れ

――そもそも林さんが役者の道を志したきっかけは?

 小学校6年生の学芸会で、結構重要な役を演じて一人でみんなの前で歌ったんです。劇団四季の「エルコスの祈り」というミュージカルをもとにした舞台だったんですけど。

 エルコスという愛情をもったロボットが主人公で、僕は愛情のないロボットに育てられたジョンという子どもの役。だからずっとエルコスの存在に疑問を持っていて、「愛情を持ってるロボットなんていない」っていう歌をうたうんです。その時に感じた、「もっと芝居をやってみたい」という思いが今につながるきっかけですね。

――小学生の頃から役者を志していたとは!

 中学や高校のときには他の道を考えたりしたんですが、大学に入って「やっぱり芝居したい」と思い直して、知り合いを通じて今の事務所に入りました。

――小学生から役者に憧れてそれを実現した林さん。アクターズ・ショート・フィルム3「いつまで」は、林さんにとってどんな意味のある作品になりましたか?

 いつか、どんな関わり方でもいいから出てみたいと思っていたアクターズ・ショート・フィルムに出られたことがすごく嬉しかったし、まだ役者になって2年半ですけど「前に進んだ」感覚を掴んだ気がします。

 あと、実際に芝居したら井之脇さんも板垣君もすごいんですよ!

 カメラが回っていないところではあんなにくだらない話で盛り上がるのに、カメラ越しで2人の演技を見ると、いつも映画やドラマで見て憧れていた俳優がそこに居るんです。そんな彼らと同じ空間で演じることができて、友人同士という役柄でも違和感がないように必死についていこうという気持ちで挑めたことは、とてもありがたい経験でした。

――「前に進んだ感覚を掴んだ」とのことですが、役者として成長や変化も実感しましたか?

 芝居の所作ひとつひとつを今までよりも客観的に考えられるようになったと思いました。中川監督はシーンごとに表現したいことが明確にある監督だったので、自分がこの場面では何を求められているのか、どんな芝居をすれば画面上にどう映るのかを今までより深く考えることができた気がします。 

 本当に自分の成長を実感できるのは多分何度も何度も作品を観てからだと思うので、これから観るのが楽しみですね。

――自身の今後については。

 今しか出せない雰囲気を大事にしたいです。僕は22歳にしては童顔なので、多分まだ学生役もできる。そうやって「今しかできない芝居」を積み重ねていって、見てもらう人におもしろいと思ってもらえる俳優になりたいです。

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林 裕太(はやし・ゆうた)

2000年11月2日生まれ。東京都出身。特技は陸上(長距離マラソン)。2020年にドラマ「そのご縁、お届けします-メルカリであったほんとの話」で板垣瑞生の友人役としてデビュー。その後、ドラマ「特捜9」「家政夫のミタゾノ」や映画『少年と戦車』『草の響き』などに出演。2022年11月に映画『間借り屋の恋』で初主演。W主演を務めた映画「ロストサマー」が2023年に公開予定。

『アクターズ・ショート・フィルム3』
2023年2月11日(土・祝)午後8:00よりWOWOWにて放送・配信

監督: 高良健吾、玉木宏、土屋太鳳、中川大志、野村萬斎(※五十音順)
チーフプロデューサー:射場好昭/コンテンツ戦略:仁藤慶彦/プロデューサー:小室秀一、宮田幸太郎、和田圭介
制作プロダクション:スタジオブルー 製作著作:WOWOW

中川大志監督作品「いつまで」
キャスト:井之脇海、板垣瑞生、林裕太 ほか

2023.02.10(金)
文=CREA編集部
撮影=釜谷洋史
スタイリスト=田邉京香
ヘアメイク=寺門侑香