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 「CREA」2023年冬号は「CREA」2023年冬号は「贈りものバイブル」です。大切だからこそしばらく会えなかったあの人に、一年間頑張った自分に、贈りたいのはやっぱりいいもの――時を越えて愛される名品の数々です。2023年、文藝春秋は100周年を迎えます。そこで今回は、100年以上続く老舗の名店や、未来へと伝えたい価値観を掲げる新店などから、選りすぐりのギフトをご紹介。あなたのホリデーシーズンが、最高にハッピーなものになりますように!

CREA 2023年冬号

贈りものバイブル

特別定価960円

 CREA WEBでは、「CREA」2023年冬号のコンテンツの一部を大公開します!


 作家の平松洋子さん、コラムニストの門上武司さんは深い知識に加え、食と人、暮らしを繫ぐ食文化の提唱者。安定した老舗の味から気鋭の若手職人の味まで100年先の未来にも繫がる贈りものをご紹介いただきます。

 今回は洋菓子篇です。貴族の味、親子三代の味、革新的な味、多彩な味わいが楽しめる洋菓子は、贈りものの引き出しには欠かせません。


贈られた人を追い込まない自分のペースで楽しめる洋菓子

――食への造詣が深いおふたりによる贈りもの対談。平松さんが門上さんにぜひ食べてほしいという焼き菓子から。

平松 テーベッカライというオーストリア料理のレストランがつくる焼き菓子です。味にうるさいオーストリア人の友人にお墨付きをもらいました。

門上 きめが細やかで上品ですね。

平松 流行りとは一線を画す上質な大人のレストランの在り方そのものです。

門上 ナンポルトクワのりんごのタルトはりんごの酸味を生かした独自の味わい。アラン・シャペルが認めたパティシエのお父さんのレシピを引き継いだ変わらない味です。

平松 素晴しいですね。記憶に残る味。

門上 「こんなんあるよ」って、知ってほしいのと、りんごの時期限定なので季節の便りとして贈ることも多いです。

平松 贈る気持ちが伝わりますね。ゴンドラのパウンドケーキは親子三代、シンプルな素朴な味でほっとします。

門上 喉の奥を通ると心地よくて、気持ちが穏やかになっていくようです。

平松 生活の中にふうっと入り込んで「すごいでしょ!」と押してこないところも好み。長年の習いで本を刊行したときにはお世話になった方々に手紙を添えて贈っています。私が暮らす西荻窪のエイミーズ・ベイクショップは開店から12年、土地の味として地元で愛される存在になったと感じます。

門上 どれも在り方が明確で、見事ですね。

平松 自分の考えと技術を磨きながら100年先にも繋いでいくのだろうなあと感じさせる店なんです。

門上 ルーローショコラを考えたのがASSEMBLAGES KAKIMOTOの垣本晃宏さん。パティシエ、ショコラティエであり料理人。彼にしかできない、今までにないものをつくっていますね。

平松 おもしろいもの、良いものをつくろうという強い気持ちを感じます。

門上 仕事関係の会社への手みやげにすることが多く、とても喜ばれます。

レストランでつくられるハプスブルク家の味

#01 銀座ハプスブルク・ファイルヒェン「テーベッカライ クライン」

 オーストリア料理専門店がつくるオーストリアの伝統的なクッキーの詰め合わせ。バニーレ(バニラの香りの生地と酸味のあるアンズのコンフィチュール)、リンツァー(シナモン生地にラズベリーのコンフィチュール)、ショコラーデ(カカオ風味の生地とホワイトチョコレート)。

「繊細な味わいは格別です」(平松さん)

銀座ハプスブルク・ファイルヒェン

所在地 東京都中央区銀座7-8-7 GINZA GREEN 7F
電話番号 03-5537-3226
営業時間 11:30~20:00(商品受け渡し)
定休日 日・月曜
賞味・消費期限 14日
https://ginza-habsburg.com/
※通販可
●要予約

人々を笑顔にしてきた父のレシピを受け継ぐタルト

#02 N’importe quoi(ナンポルトクワ)「りんごのタルト」

 西原裕勝さん・杏菜さん夫婦ふたりで営むパティスリー。青森・秋田の産地直送りんごと、バター、生クリームを高温の窯でじっくりと焼き上げたタルトは父・西原金蔵さんの味。

「素朴なりんごの酸味が生きた、父親譲りの変わらない味わい」(門上さん)

N’importe quoi(ナンポルトクワ)

電話番号 075-708-3742
賞味・消費期限 冷凍で約2週間
https://nimportequoi.base.shop/
※通販可
●購入はオンラインショップから

2022.12.07(水)
Text=Motoko Saito
Photographs=Naruyasu Nabeshima
Cooperation=UTUWA

CREA 2023年冬号
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。

この記事の掲載号

100年超えの名品から、最旬SDGsアイテムまで贈りものバイブル

CREA 2023年冬号

100年超えの名品から、最旬SDGsアイテムまで贈りものバイブル

特別定価960円

「CREA」2023年冬号は「贈りものバイブル」です。大切だからこそしばらく会えなかったあの人に、一年間頑張った自分に、贈りたいのはやっぱりいいもの――時を越えて愛される名品の数々です。2023年、文藝春秋は100周年を迎えます。そこで今回は、100年以上続く老舗の名店や、未来へと伝えたい価値観を掲げる新店などから、選りすぐりのギフトをご紹介。あなたのホリデーシーズンが、最高にハッピーなものになりますように!