この記事の連載
神田伯山さん[講談師]
Q1:最愛の一作
『火の鳥』(手塚治虫/角川文庫)
マンガを読んで鳥肌が立ち続けるのはこの作品が初めてでした。圧倒的なマンガ。
Q2:マンガを読むスタイルは?
完全に紙派です。
Q3:夜ふかしマンガ大賞に推薦した作品とその理由
『チ。ー地球の運動についてー』(魚豊/小学館)
人間の信念がとてもよく描かれていて、志のあるものから次の志のあるものへと命をかけたバトンがとても美しい。私もこうありたいと思います。
『葬送のフリーレン』(山田鐘人 原作/アベツカサ 作画 小学館)
勇者一行の1000年以上生きている魔法使いが、もう亡くなっている勇者に思いを馳せながら生きているというその設定がとても好きです。英雄たちの郷愁を滲ませる後日譚ファンタジー。設定大好きマンガ。
『九条の大罪』(真鍋昌平/小学館)
私は本音が好きです。本音の中にある厳しさや優しさなど、どうにもならない人間というものに真正面から嘘がなく向き合った作品だと思います。そこが好きです。
Q4:各部門への推薦作品とその理由
●お仕事部門
『ザ・ファブル』(南勝久/講談社)
プロ意識の高い主人公が好きです。それでいてジャッカル富岡というつまらなそうなお笑い芸人の活躍を願っている感じも好きです。
●コッソリ部門
『JUMBO MAX』(髙橋ツトム/小学館)
無認可でしかも超強力なED薬をつくってそれが犯罪になり、と。何か入り口と出口が違うけど、とにかくワクワクドキドキさせてくれる作品です。
神田伯山(かんだ・はくざん)
講談師
2007年、三代目神田松鯉に入門。20年に真打に昇進し、大名跡「神田伯山」を襲名。講談会や寄席のみならずテレビやラジオ、YouTubeでも活躍。大のマンガ好き。
神田伯山さん監修マンガ
『ひらばのひと』久世番子
独特の節で読む軍記ものの勇敢な場面を講談で「修羅場(ひらば/しゅらば)」と呼ぶ。歴史ロマン&爆笑エッセイマンガの名手・久世番子が、風雲児・六代目神田伯山の助太刀を得て描く、“絶滅危惧職”講談師の世界。講談社 各715円 既刊2巻
2022.12.11(日)
Text=Ritsuko Oshima(Giraffe)