おいしいそうめんを食べたければ、手延べそうめんを

 つまり、手か機械かという違いもあるのですが、延べるか裁断するかという違いが手延べそうめんと機械麺の本質的な差で、もっと言えばおいしさの差にもなるということです。

 

 そうめんが粉っぽかったり、ヌメッとしていたり、ドロドロしていておいしくなかったという経験はありませんか? おそらくそれは機械麺だからです。手延べそうめんでそんなことはまずありません。もし、おいしいそうめんを食べたければ、手延べそうめんを選んでください。

 手延べそうめんか機械麺かはパッケージ裏の品質表示を見ればわかります。手延べそうめんは「手延べそうめん(手延べ干しめん)」、機械麺は「そうめん(干しめん)」と書かれています。

手延べそうめんの産地

 奈良県の三輪(桜井市)がそうめん発祥地と言われています。ここから全国にそうめんの製法が伝わりました。

 手延べそうめんの4大産地と言われているのは三輪、島原、小豆島、播州。ここでは細かいこと(※)を書き切れないので、「手延べそうめんにはこんな産地があるんだな」くらいに思ってください。

※「細かいこと」の一例:三輪そうめん、播州そうめんは一般名詞だけど、三輪素麺、播州素麺は登録商標。三輪素麺はすべて手延べそうめんだけど、播州素麺は(おそらく)すべてが機械麺、などなど。

手延べそうめんをおいしく食べるコツ

 手延べそうめんの醍醐味はプチプチッと弾けるような強い歯切れ・コシ、ツルッとした滑らかなのど越しにあります。手延べそうめんをおいしく食べるには、以下のようなことを気にしてみてください。

 まず茹で方。たっぷりのお湯で茹でます。茹であがったら、冷水でしっかりと洗って冷やしてください。これはそうめんを締めるという以外に、表面に残っている塩分や油分を洗い流すという意味もあります。

 次に盛り方。水にさらすと涼し気ではありますが、そうめんが水っぽくなります。水にはさらさず、そのまま盛り付けることをおすすめします。

2022.08.21(日)
文=後藤 ひろし(ひろぽん)