12位 川上の糸
(川上製麺/長崎県南島原市)

 もっともよく見かけるそうめんが島原素麺(ほとんどが機械麺)、島原手延べそうめんではないでしょうか。スーパーのプライベートブランドでも島原のそうめんが採用されていることが多く、誰しもが一度は目にしたことがあるはずです。

 ムチッ、プリッとした弾力で、優しい味わい。歯切れも風味も穏やかなので、一瞬、物足りなさを感じるかもしれません。ところが、不思議なことにこれが止まりません。どんどん食べ進めたくなります。作り手の気持ちが伝わってくるような温もりのあるそうめんです。

11位 大門素麺
(末永次八氏・となみ野農業協同組合/富山県砺波市大門地区)

 大門素麺には末永次八氏が作る青袋と、複数の生産者が作るとなみ野農業協同組合の白袋の2ブランドがあります。長い麺が丸まげ状に巻かれていて、ふたつに割って茹でます。ムチッ、プリッとした穏やかなコシなのですが、地元産小麦の甘みがとても強く味わい豊か。

10位 三輪素麺
(三輪そうめん小西/奈良県桜井市)

 多数のメーカーが三輪素麺という商品をリリースしています。三輪素麺は奈良県三輪素麺工業協同組合の登録商標で、同組合の定める厳格な基準をクリアしたそうめんでないと三輪素麺と名乗れません(三輪素麺はすべて手延べそうめん)。

 三輪素麺は細さに応じて、神杉、緒環(おだまき)、瑞垣(みずがき)、誉(ほまれ)と等級が分かれていて、束紙の色も異なります。この三輪素麺は黒い束紙の誉。三輪素麺の中では一番“太い”のですが、それでも一般的なそうめんよりも細く、プチプチッとした小気味のいい歯切れ、滑らかなのど越しが快感です。

 スーパーでそうめんを選ぶ際、「どれがいいかな?」と悩んだら、パッケージに「三輪素麺」と書かれた商品を選ぶことをおすすめします。三輪素麺ならまず外しません。

 

9位 三輪の神糸
(マル勝高田商店/奈良県桜井市)

 スーパーでもっともよく見かける三輪素麺がマル勝高田商店のそうめんかもしれません。三輪の神糸も三輪素麺なんですが、とても細く、中心に芯が通っているかのような力強いコシがあります。三輪素麺は値段が高いことも多いのですが、三輪の神糸は揖保乃糸と変わらないお手頃価格なのも嬉しいところです。

2022.08.21(日)
文=後藤 ひろし(ひろぽん)