店番はタローとジローの2勤交代制
「うちには、タローのほかにジローもいるんですよ」
ジ、ジロー……?
南極観測隊の「タロとジロ」ならぬ、五十嵐園の「タローとジロー」。
どうやら、店番はタローとジローの2勤交代制のようだ。
はてさて、ジローはどこに。
「たぶんショーケースの裏にいるはず」
タローの弟分だから、ジロー。
タローと同様、8カ月の頃にふらりと「五十嵐園」に現れ、そのまま居ついて店番をするように。
タローが店先で呼び込みをしている間、ジロー(オス/11歳)はおもにここにいるのだそう。
しかし、名前を呼べども呼べどもまったく顔をあげてくださらない。
「ジロー、こんにちは~」
「タロー今忙しいから、ジロー出て来てよ」
根気強く呼びかけること、約10分。
あ! 顔上げた!
ジロー! ジロー!
名前を連呼したからか、機嫌を損ねてしまったらしい……。
この後もジローは眠り続け、店番に出ることはなかった。
「あーあ」と思っていたら、カウンターからタローが出て来て再び店先へ。
ちんまりと店先に立つタロー目当てに、立ち止まるお客さんは後を絶たず。
暑い夏でもよく働くタローなのであった。
「五十嵐園」を後にし、次は、これまた読者の方から教えていただいた自動車整備工場のネコを探しに行くことに。
タローとジローのいるお店「五十嵐園」
住所 東京都品川区小山6-4-9
勤務時間 交代制でだいたいいる
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梅津有希子 (うめつ ゆきこ)
編集者・ライター。1976年北海道生まれ。ヤマハ勤務の後、FMラジオ局、編集プロダクションなどを経て、2005年に独立。女性誌や単行本、webを中心に、ペット、料理、美容など幅広いジャンルで活動中。「CREA cat」「CREA Dog」を毎号担当するほか、別冊マーガレットの『青空エール』(集英社/河原和音)の監修も務める。著書に『吾輩は看板猫である』『吾輩は看板猫である 東京下町篇』(文藝春秋)、『We are ブサかわねこ』(角川書店)、『終電ごはん』(幻冬舎)がある。
公式サイト:umetsuyukiko.com Twitter:@y_umetsu
Column
梅津有希子の商店街ネコ探訪
大人気のネコフォトブック『吾輩は看板猫である』、そしてその第2弾の『吾輩は看板猫である 東京下町篇』の著者、梅津有希子さんが、看板猫を探して、今度は商店街を巡ります。
2013.08.23(金)