休眠から目覚めた木や草が花を咲かせ、景色を鮮やかに染め上げる春がやってきました。

 「いつか行きたい! 『日本にしかない風景』再発見」2021年春篇に、新たな景色を追加して、2022年版をお届けします。

 四季があり、自然の移ろいを感じられる日本。各エリアの観光の達人が選ぶ、その地に息づく春色の景色をお楽しみください。

 今回は、CREA編集部が選ぶ、春の風景をご紹介します。

» 日本の隠れ絶景・風物詩リスト


◆井の頭恩賜公園の桜

 武蔵野市にある都立井の頭恩賜公園は、「さくらの名所100選」の一つであり、都内でも人気の桜スポット。園内には約500本の桜があり、春には井の頭池の周囲に立つ約250本のソメイヨシノとヤマザクラが、優しいピンク色の花を咲かせる。

 満開時に鈴なりの花をつけた枝が、水面に触れそうなほどのびのびと枝を広げる様子は圧巻で、池に映る姿も美しい。この光景を眺めるのには、井の頭池の中央にある七井橋や、井の頭池のボートがおすすめだ。

 また、西園には早咲きのカワヅザクラ、ヤエザクラ、シダレザクラといった種々の桜があり、3月下旬~4月上旬にかけて白・ピンク・紅色の花が次々と咲き誇る。夜間にはライトアップも行われ、昼とはまた違った神秘的な景観が楽しめる。

※2022年のライトアップは未定

井の頭恩賜公園の桜(いのかしらおんしこうえんのさくら)

所在地 東京都武蔵野市御殿山1-18-31
https://www.kensetsu.metro.tokyo.lg.jp/jimusho/seibuk/inokashira/index.html

◆六義園のしだれ桜

 小石川後楽園とともに江戸の二大庭園に数えられる、1938(昭和13)年に開園した日本庭園。池と山を有する「回遊式築山泉水庭園」で、国の特別名勝にも指定されている。

 一年を通じて、四季折々の花を楽しめるが、なかでも注目したいのが、開花にあわせて実施される、しだれ桜のライトアップ(2022年は中止)。

 暗闇のなか、枝を優雅に広げ、圧倒的存在感で咲き誇る姿は、一度見たら忘れられない、ため息の出る美しさだ。

六義園のしだれ桜(りくぎえんのしだれざくら)

所在地 東京都文京区本駒込6
https://www.tokyo-park.or.jp/park/format/index031.html

2022.03.24(木)
文=CREA編集部