メンタルの不調にはどう向き合えばいいの?

Q:メンタルを治療するにはどんな方法があるのですか?

A:精神療法と薬物療法との二本立てが基本です

 精神科の治療は、医師との対話を通して心理面からの回復を目指す精神療法と、薬で脳などに働きかける薬物療法が基本。

「不眠を訴えて来院した人には、まず『いつからか』『どういう眠れなさか』『ストレスはないか』『眠れないと何が困るか?』などを問診します。『薬を飲んででも眠りたい』という人には薬を処方するなど、患者さんに合わせた治療をしています。治療の中心が対話なので、医師との相性はとても大事」(福永先生)

Q:精神科の薬ってなんだか怖そう。依存性が強かったりしませんか?

A:医師の処方を守りながら正しく服用すれば問題なし

 心の病気の治療に用いられる薬には、抗うつ剤や抗不安薬、睡眠薬などがある。

 「今は様様なタイプの薬が出ているので、最新の情報を常にアップデートしている専門医が処方する薬を正しく服用している分には問題ありません」と、福永先生。

「ただし、市販薬を含めてどんな薬にも副作用はあるため、ネットなどの誤った情報で服薬したり、病院で処方された薬を勝手に中断したりするのは絶対NG。医師の指導の下での服薬を」

Q:心を診てもらう病院って選ぶのが難しそう……

A:肝心なのは、医師との相性。通いやすさも重要なポイント

 「心の病気の治療は長期に及ぶことも多いため、立地やアクセスの良さ、診療時間などを考えて自分が通いやすい病院を選んでほしい」と、福永先生。特に大事にしてほしいのは、医師との相性だとか。

「友人・知人からの紹介で病院を選ぶ人が多いようですが、誰にでも相性はあるもの。受診した時に少しでも『話しづらいな』『合わないな』と感じたなら、別の病院へ行くのも全然構いません。1つの病院で諦めないことが重要です」

Q:よく耳にする、カウンセリング。病院での治療とは違うの?

A:医療行為ではありませんが悩みをしっかり相談できます

 心の悩みを聞いてもらうカウンセリングは、医師のほか、臨床心理士などの資格を持つカウンセラーが行う行為。

「病院での診察は時間が限られるため、もっと話を聞いてほしい、という人には保険適用外にはなりますがカウンセリングをおすすめすることもあります。治療としても、患者さんによっては薬よりカウンセリングの方が向いている場合もある。どちらがいいか迷っている人は、まずは精神科で相談するのがいいでしょう」(福永先生)

Q:メンタルに不調を抱える人にはどう接したらいいの?

A:とにかく話を聞いてあげる。アドバイスより共感が大事

 家族や友人など身近な人が心の不調で苦しんでいると、心配だからといってあれこれアドバイスしたり、世話を焼き過ぎたりしがちだが、それはかえって逆効果だとか。

「周りの人にできるのは話を聞くこと。アドバイスは必要ないと思います。相手の気持ちに共感しながら、ただ話に耳を傾ける。つらい気持ちを聞いてあげて、その気持ちを肯定してあげる。それが大事です。治療は専門医と本人に任せた方がいいと思います」(福永先生)

●お話を聞いたのは……

精神科医 福永伴子(ふくなが・ともこ)先生

1994年、順天堂大学医学部医学科を卒業。同大学医学部精神科など複数の病院で診療経験を積み、2011年に東京・港区に「ともクリニック浜松町」を開院。近著に『お医者さんと一緒に解決 わたしのココロにしてあげたいこと。』がある。日本精神神経学会精神科専門医、日本医師会認定産業医。

Column

私たちの体を守りケアする
フェム・ヘルス研究室

女性の心身の仕組みを理解して、快適に暮らすめための連載。「フェムテック」アイテムの紹介をはじめ、PMS、月経、更年期などの女性のしんどさを和らげて、生活の質を上げる方法を考えます。

2022.01.30(日)
Text=Miho Katsuki
Illustrations=Haruhi Takei

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※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。

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