ホルモンに大きく影響される私たちの体を理解して、快適に暮らすめための連載!
メンタルの不調が長く続けば、心が病気になることもある。今や、しんどい時には迷わず医療の力を借りて治療できる時代。病院選びの際に気になることを、精神科医の福永伴子先生に伺いました。
心のお医者さんってどんなところ?
Q:ひょっとしたら、心の病気かも。何科を受診すればいいですか?
A:メンタルの不調を診てほしいならまずは精神科へ
心の病気の診断や治療のために医療機関を受診したいものの、病院名や科名がいろいろあってよく分からない、と二の足を踏んでいる人は少なくない。
「女性の場合は婦人科を受診する人も多いようですが、メンタルの不調で受診するなら、心の問題を全般的に扱う精神科が基本。心に不調をもたらす原因や症状の出方によって他の病院を紹介したり、連携して治療する場合もあります。まずは精神科で相談してください」(福永先生)
Q:病院を受診する人にはどんな症状の人が多いの?
A:眠れない、ゆううつ、イライラする、が三大症状
福永先生の病院を訪れる患者さんの症状で多いのは、「眠れない」「ゆううつ」「イライラする」。
「精神科は手がつけられないほど病んでしまった人がかかる場所のように思われがちですが、それは昔の話。今はもっと気軽に来られる人が増えています。若い女性からおばあちゃんまで年代もかなり幅広く、もちろん性別も様々。こんなことで受診して大丈夫かな? と考える必要はなし。治療が必要かどうかも含めて医師が判断します」
Q:よく目にする心療内科って精神科と同じですか?
A:症状がメンタルに出るか体に出るかの違いです
本来は内科で診る病気も、ストレスとの関連性が強い場合には心療内科で診るケースもあるという。また精神科医のいる病院でも専門や得意分野は様々。受診前にチェックするようにしたい。
「精神科と心療内科は、症状がどこに出ているかの違いです。ストレスなど心理的な要因による『心』の病気を診るのが精神科で、喘息やじんましん、場合によっては円形脱毛症など、『体』に症状が現れた人を診るのが心療内科です」(福永先生)
Q:生理前の不安定なメンタルを治療したい時は何科へ行くべき?
A:メンタルに問題があるならまずは精神科で原因究明を
PMDDや更年期障害、出産後や不妊治療に伴ううつ症状など、女性特有の原因による心の不調は、婦人科でも治療は可能だという。
「ホルモンをコントロールするための低用量ピルや抗うつ剤が処方されることが多いようです。精神科医やカウンセラーを入れている婦人科もありますが、まだまだ少数派。メンタルの不調がホルモンではない場合も多いので、まずは精神科を受診して原因をはっきりさせることをおすすめします」(福永先生)
2022.01.30(日)
Text=Miho Katsuki
Illustrations=Haruhi Takei