1人でいると、空想が止まらなくなる
――佐久間さんといえばショートカットがトレードマークですが、こだわりは?
小学2年生からショートカットなので、ロングよりも自分らしいなって思います。前髪の長さや顔まわりのカット、髪の色や切ってくれる人によっても印象が変わりますし、ずっと飽きずに楽しめていますね。
――「自分らしい」というのは?
んー、仕度時間も短くて済みますし、何よりも軽くてケアが楽! すごく身軽なので、アクティブに動ける気がして。そういう身軽さは、思い立ったらまず行動に移す性格にも合っているのかもしれません。
――好きな音楽を通じて旅に出たように、興味を持ったものはとことん追求する性格なんですか?
ハマったらずーっと追い求めるかもしれません。
カレーライスが大好きなんですが、毎日でも、毎食でも食べられるくらいずっとハマっています(笑)。スパイスカレーとか薬膳カレーとかが好きで、お気に入りのお店が何軒かあります。
子供の頃からカレーは好きだったんです。でも実家で食べるカレーはどこか特別なもののイメージが強くて。「今日カレーだよ」と言われたら、「やったー!」みたいな。毎日作ってもらえるわけじゃないですからね。
でも実家を出て1人暮らしをしていく中で、あるときタガが外れたんです。「自分で選択すれば毎日でも食べられる!」って。
誰からも止められる事がないですし、食べ過ぎたら運動すればいいのかなと。そう思ってから毎日のように食べるように(笑)。
それだけ食べてもカレーの特別感は消えなかったですし、私のカレーへの愛も止まらなかったんです。だから常においしそうなお店をお友達や共演者の方に聞いたりして探し求めています。スパイスカレーは毎回発見があって楽しいんです。「こんな組み合わせがあったんだ!」って。
――カレーを食べにいくのも1人が多いですか?
大体1人ですね(笑)。あまりに頻繁に行くので、友達は最近ついてきてくれなくなりましたね。ただ、私はすごく感動したときとか心がドキドキしたときに、誰かに伝えたいという気持ちよりも、自分の中で大事に取っておきたい気持ちが強くて。おいしいご飯を食べるときも、1人でそのおいしさを噛みしめるのが好きなんだと思います。
あと、基本的に空想癖があって、街を歩いているときにすれ違った家族の会話が聞こえてきたりすると、空想が止まらなくなっちゃうんです。「この人たちは今日、何をしてきたんだろう」、「この後はどこに行くんだろう」って。だから1人のほうが考えを消化しやすいし、周りの人に迷惑をかけないだろうなって(笑)。
――読書好きとしても知られていますが、その影響もありますか?
そうかもしれないですね。本は映像とは違って情報量が少ない分、想像しながら読みますからね。癖がついているのかもしれません。
――最近はどんな空想をしましたか?
夢をよく見るので、起きたときに夢を書き留めるようにしているんです。その夢の続きを空想したりしますね。基本的に冒険系の内容が多くて、男の子を救出するという目的があったりします。完全にファンタジー(笑)。それをしてどうにかなるわけじゃないんですが、とにかく考えることが好きなんです。その想像力が、お芝居にも生かされていたらうれしいです。
佐久間由衣(さくま・ゆい)
1995年3月10日生まれ。神奈川県出身。17年にNHK連続テレビ小説「ひよっこ」にヒロインの幼馴染で出演。その他、数々の作品に出演し。最近は主演映画『君は永遠にそいつらより若い』やドラマ「彼女はキレイだった」、「最愛」など。
ドラマ『おいハンサム!!』
東京の一軒家で、伊藤源太郎(吉田鋼太郎)は妻・千鶴(MEGUMI)と暮らしている。三人の娘はそれぞれ実家を出て立派に暮らしていたはずだった。長女の由香(木南晴夏)は独身、仕事は順調だがエブリデイ・不倫気質。次女の里香(佐久間由衣)は高学歴な男と結婚して大阪に住んでいるが離婚寸前。三女の美香(武田玲奈)も独身で念願の一人暮らしを始めた途端、売れそうもない漫画家志望の男と半同棲状態。男を見る目がない娘たちが心配でたまらない源太郎――。伊藤家の明日はどっちだ⁉
出演:吉田鋼太郎 木南晴夏 佐久間由衣 武田玲奈 MEGUMI ほか
企画:市野直親(東海テレビ)
原作:伊藤理佐『おいピータン‼』『おいおいピータン‼』(講談社「Kiss」連載)
脚本・演出:山口雅俊
製作:東海テレビ 日本映画放送
2022.01.08(土)
文=松山 梢
撮影=山元茂樹
ヘアメイク=秋鹿裕子(W)
スタイリスト=渡邊薫