ハーゲンダッツも認めた味 徹底的に品質を管理している極上牛乳
浜中町の牛乳は、その品質が認められ、「ハーゲンダッツ」のアイスクリームやタカナシ4.0牛乳に使われている。ここからは浜中町の高品質牛乳の秘密を探ることに。JA浜中町(浜中町農業協同組合)の酪農技術センターへ。
建物の外には生まれて間もない仔牛たちが、ずらりと並んだ小さな個室に入れられていた。近づくと、ゴロリ寝そべっていた仔牛たちが立ち上がって顔を出してくれた。よく見ると額にハートのマークのついた子が! かわいい! 愛想がよくてとってもキュートで、写真を撮りまくっていたら、「こちらですよー!」と呼ばれて我に返った(笑)。
こちらでは、各牧場から送られてくる乳汁を分析して品質を集中管理&指導している。他にも、牧草、牧場の土もデータ化して、高い品質がキープされているのだ。また、乳汁から雌牛の妊娠を調べ、効率よく頭数を増やしている。そうした努力が、世界的ブランドのアイスクリームの原料に選ばれる理由なのだ。
次に、雌牛から生乳を搾る搾乳舎へ。最新式の搾乳ロボットを見学させていただく。搾乳舎では、牛が広々とした牛舎内で自由に歩きまわっている。その端にある別の入口から入ると大きな機械があった。搾乳ロボットだ。
すぐに牛が機械の中にやってきた。定位置で止まると、センサーが位置を確認し、ブラシがお乳を洗い、乳首に搾乳器具を取り付け、一気に生乳を搾る。お乳がみるみる小さくなって終了。ゲートが開いて牛が出て行く。そこに人は介在しない。なんてお利口さんな牛だこと!
その仕組みは、搾乳ロボットに牛が入ると餌が出てくるのだ。お乳が張って絞ってほしくて来る牛もいれば、餌を目当てに何度も来る牛もいるのだとか。ただし、餌がほしくて何度も来てもセンサーで判別されてしまうので、間隔が短すぎると餌ももらえずにゲートが開く。後ろで次の牛が待っているほどの人気ぶり。彼らがストレスなく暮らしているのがよく分かる。
次に訪ねた牧場では、人の手を借りた搾乳が行われていた。ここでも牛たちは牛舎内で放牧されていて、自ら搾乳室に入ってくる。各ブースに、お行儀よくお尻を向けて並び、一斉に搾乳されていく。搾乳が終わるとゾロゾロと部屋を出て行く。決して無理強いはせず、ストレスのない環境が、美味しい牛乳を生産する秘密のひとつなのだ。
浜中町の牛乳の品質管理をしている浜中町農業協同組合では、酪農家さんから出荷されるすべての牛乳の成分分析をしている。餌の質や土の質の分析など、品質を高める数々の工夫が成されているのだ。また、効率よく繁殖させるために、乳汁を使った妊娠検査をするなど、最新の技術を駆使して、町内の酪農家が協力して品質向上のために努力しているのだ。
JA浜中町(浜中町農業協同組合)
所在地 北海道厚岸郡浜中町茶内栄61番地 088-1363
電話番号 0153-65-2121
Facebook @jahamanaka
https://www.ja-hamanaka.or.jp/
2021.12.13(月)
文・撮影=たかせ藍沙