愛らしいサイズの小形羊羹は1930年に誕生。15代店主がフランスの香水の化粧箱から着想したそうだ。季節や地域限定の味もあるので、プチギフトや自分へのご褒美にも最適。各50g 292円。

 たまに、隠したことを自分で忘れてしまうこともあった。しばらくして、忘れられた「おもかげ」を見つけた時の喜びと言ったら! 断面のシャリシャリ具合は格別で、濃いめに淹れた緑茶と一緒にいただくと美味しさが何倍にも膨れ上がった。

 いつからか、とらやが小さな羊羹を販売していることに気づいた。季節限定のパッケージも目に麗しく、今度は大人になった私がとらやの羊羹を贈ったり、贈られたりするようになった。持ち運びにも便利だし、一本か二本だけ買って、仕事中にひとりで食べるのにも重宝している。

 ふいに、シャリシャリしたあの断面が無性に懐かしくなることがある。そういうときは小さな羊羹を縦に切り、半分だけ冷蔵庫に仕舞う。数日待てば、あの頃と同じようにシャリシャリが味わえる。

 つい食べきってしまうことも多いから、今度父から大きなサイズを一本もらおうかな。父の家には、変わらずとらやの箱がいくつも常備されているのだ。

ジェーン・スー

1973年、東京生まれの日本人。作詞家/ラジオパーソナリティ/コラムニスト。2015年、『貴様いつまで女子でいるつもりだ問題』(幻冬舎)で第31回講談社エッセイ賞を受賞。2021年12月15日に『ひとまず上出来』(文藝春秋)を上梓。近著に『これでもいいのだ』(中央公論新社)、『女のお悩み動物園』(小学館)など。TBSラジオ「ジェーン・スー 生活は踊る」(月~木、11:00~13:00)が放送中。また ポッドキャスト 「ジェーン・スーと堀井美香のOVER THE SUN」 を毎週金曜17:00に配信中。

夜の闇に密やかに咲く梅の花になぞらえた「夜の梅」

小豆は北海道十勝産のエリモショウズという品種を使用。羊羹専用の餡をつくり、その餡に煮溶かした寒天と砂糖を加えてじっくりと煉り上げる。熟練した職人が五感で確認しながら煉り具合を見極める逸品。竹皮包羊羹 夜の梅 330g×2 3,024円。

 世代を超えて親しまれている、とらやを代表する小倉羊羹「夜の梅」は誕生から200年超。小豆、寒天、砂糖のみ、というシンプルな材料でつくられており、小豆を煮る作業から完成に至るまで3日も要するという。

 梅味ではないのになぜ菓銘に「梅」が? それは、切った断面に見える小豆の粒を夜の闇に咲く梅の花に見立てているからなのだ。

<2022 寅年限定>小形羊羹5本入 虎柄化粧箱

屋号の虎と、2022年の干支「寅」に合わせた期間限定の化粧箱に、干支パッケージの小形羊羹を詰めて。笑顔あふれる年となるようにとの願いをこめて、朗らかな虎の絵を明るく賑やかに配したデザイン。カジュアルギフトやご自宅用にもおすすめ。1,620円。

■販売期間:2021年12月20日~2022年3月下旬 ※なくなり次第終了
※干支パッケージ小形羊羹の販売終了後は、通常パッケージの小形羊羹に。

「とらやと楽しむ寅年」スペシャルサイトはこちら

とらや

フリーダイヤル 0120-45-4121
https://www.toraya-group.co.jp

2021.11.25(木)
Text=Jane Su
Photographs=Jun Hasegawa
Styling&Food coordinate=Nobuko Nakayama
Hair&Make-up=Rika Fujiwara(ThreePEACE)

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※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。

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