無類の外ごはん好きであり、フードコーディネーターとしても活躍する風森美絵さんが、アウトドアでもおうちでも楽しめる、絶品・簡単レシピを紹介!
もともとアーティストとして絵画や作品を作ってきた風森美絵さんですが、プライベートで作っていた外ごはんが評判となり、「外ごはんスタイリスト」として著書やプロダクトプロデュース、メディアにも引っ張りだこ。そんな風森さんが「外ごはん」の楽しみ方を伝授します。
たとえベランダだって、空の下で食べるご飯は格別美味しい!
外ごはんスタイリストの風森美絵です。「外ごはん」と耳にしたときみなさんは何を思い出しますか。ここ最近はアウトドアブームということもあってキャンプやBBQを思い出す方が多いかな。
もっともっと前から身近にあった外ごはんと言えばピクニックでしょうか。もしくは仕事の合間に縁側でのお昼ごはんとか、畑仕事の合間のお茶とか、ドラマのシーンでもよくみる屋上でお弁当とか。
生活環境の中に昔から“外でごはんを食べるスタイル”というのは、そこかしこに在ることなのかもしれません。
さて、みなさまお察しの通り、こうやってエッセイを書かせていただくくらい外ごはんが大好きで、キャンプもBBQも本当は毎日したいくらいなんですが、そうもいかず。特にコロナ禍ではなかなかキャンプの機会なども減り、アウトドアへの欲求が高まるばかりでしたよね。
外ごはんをこよなく愛するわたしの生活環境はというと……都内のマンション暮らしでお庭や縁側や軒先といったものはありません。我が家に唯一あるのはベランダと、近くに緑が多めの公園があるということ。
それならば、と気持ちの良い天気の日はピクニックという名の青空ランチをしに小二時間ほど公園に行くのですが、小二時間もままならない日があったりもします。
そんな時は、唯一外を感じることができるベランダへ。
ノートPCでできる仕事の日はそのままずっとベランダにて。これ、外ごはん好きの人にも、そうでない人にもおすすめです。
なんといっても手軽。外で調理することもなければ、お弁当を作る必要もない。いつものキッチンで作ったものをベランダに持ち出すだけでOK。窓を開けて部屋とベランダの境界線あたりで食べるだけでも気分転換になります。
そう考えると外に出なくても、外の空気と自然を感じられれば気持ちがいいのかも、と最近よく思います。OutdoorじゃなくてもNatureを感じるといいましょうか。
都会の暮らしの中にも、風や光や音や香りを感じることができれば少しだけ時間がゆっくり流れる。
気持ちだけでもインドアとアウトドアをシームレスにできれば、どちらの良さも感じられたり、どちらのストレスも感じないといった、いいとこ取りです。
外で食べる炭水化物は特においしいですね。お米もパンもパスタも最高です。
また不思議と外で食べるとカロリーが少なく感じるという、あくまでもわたし調べでございますが。
外の空気と自然を感じながら食事を楽しめて、それでいてカロリーも少なく(感じる)とか超最高。ということで大好きなパスタを簡単に作って熱々のままベランダでいただこうと思います。
【ベーコンとほうれん草のトマトスパゲティ】
■材料(1人分)
・スパゲティ…100g
・ベーコン…100g
・ほうれん草…1株
・玉ねぎ…1/4個スライス
・にんにく…1片みじん切り
・トマトペースト…18gほど
・塩こしょう…適量
・オリーブオイル…大さじ1
■作り方
フライパンにオリーブオイルをひき、にんにくを炒めて香りが出てきましたら玉ねぎと好みの大きさに切ったベーコンをよく炒めます。
ほうれん草も加えて火が通ったらトマトペーストを入れ、ゆで汁大さじ3~4を加えてよく混ぜます。
これでソースは出来上がり。スパゲティが茹で上がったらソースとよく混ぜ絡めて塩こしょうでお好みの味に調えてください。
休日や夜であればスパークリングワインとかビールと一緒に食べたいですね。秋の夜の外ごはんも気持ちがいいです。ベランダをダイニングだと思って外ごはん、楽しんじゃいましょう。
風森美絵(かざもり・よしえ)
東京を拠点にアーティスト/アートディレクターとして活動中。調理師の資格を持ちフードコーディネートおよびスタイリング、キャンプシーン全てのプロデュースをするアウトドア専門のスタイリストでもある。旅とお茶とアートとお酒をかけ合わせながら、インドアとアウトドアをシームレスに楽しむライフスタイルを模索中。
2021.11.11(木)
文・写真・イラスト=風森美絵