様々な女性たちの語り

『幕末明治 女百話』
篠田鉱造 著

 時代の生き証人たちの話の書き起こし。

「幕末から明治を生きた女性たちの語りを聞き取って記録したもの。彼女たちの体験や見聞きした話を今、実際に『ふんふん、それでそれで?』と聞いているみたいでとても楽しい」(藤野さん)

とんでもない設定で紡がれる物語

『半分世界』
石川宗生 著

 ある家族を大勢が観察する表題作を含む短編集。

「思いつきから、壮大な冗談が饒舌に語られていきます。大ボラは、バカバカしくなると興ざめしますが、ギリギリの線で荒唐無稽な世界を編み上げていきます」(三浦天紗子さん)

世の中にあふれる欺瞞を糾弾!

『スタッキング可能』
松田青子 著

 不条理と戦う「わたしたち」を描く、短編集。

「『ウォータープルーフ嘘ばっかり!』の3編が特に好き。女性たちが背負わされているイメージや厄介などを振り払うような痛快さがあって、元気が出ます」(三浦天紗子さん)

2021.10.25(月)
Text=Nozomi Nagata
Photographs=Kengo Shimizu

CREA 2021年秋号
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。

この記事の掲載号

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