作家や俳優などの方々に、読むと感情が湧き上がってくる本をノンジャンルで教えてもらいました。生活に彩りを与えてくれる、ブックガイドです。
なんだか元気が出ない日は、パワフルで魅力的なキャラクターや作者に力を分けてもらいましょう。
この小さな声を聞いてほしい
『ディスタント』
ミヤギフトシ 著
「こんなに声の小さな主人公は珍しい。でも、静かだからこそ耳を傾けたくなるし、いつまでも残ります。声の大きな人の意見が通りやすい今だからこそ、この小さな声を聞いて欲しい」(尾崎さん)
強烈なフェミニストの宣言
『キングコングセオリー』
ヴィルジニー・デパント 著
相川千尋 訳
「『ブスのために、ババアのために、男みたいな女のために、(中略)すべての女たちのために』という宣言を読むと、実在の女性たちの物語を記録していかなければならないと決意を重ねることができます」(藤野さん)
これぞシスターフッド!
『ババヤガの夜』
王谷晶 著
「暴力の才能」をもつ依子と、彼女がその腕を見込まれて護衛することになった尚子の戦いの記録。
「ばちばちに強い女が強い女と手を取り合って理不尽を殴り飛ばす最高の作品。強くなりてえ。と思います」(宇垣さん)
お前がやってみろよに立ち向かう
『はつなつみずうみ分光器 after 2000 現代短歌クロニクル』
瀬戸夏子 著
人気歌人が選んだ現代歌集。
「自らも作品を発表しながら他者の作品を批評する事は、とても勇気がいること。この本からはどうしてもそれをせずにはいられない衝動を感じて、とてもその事に勇気づけられます」(尾崎さん)
2021.10.23(土)
Text=Nozomi Nagata
Photographs=Kengo Shimizu