#229 Yoichi
余市(北海道)
札幌とニセコの中間に位置する北後志の5町村のひとつ、余市。積丹半島の入口でもあります。
余市といえば、NHK連続テレビ小説『マッサン』の舞台。駅近くには石造りのレトロな「ニッカウヰスキー余市蒸留所」が構え、ウイスキーが有名です。
一方、近年注目されているのが、ワインツーリズム。もともと“北のフルーツ王国”として隣の仁木町とあわせて、ぶどう作りが盛んだった余市。この界隈でワイン用のぶどう作りが始まったのは約50年前から。
水はけのいい丘陵が連続し、冬でも気温がマイナス15度以下に下がることはめったにない道内では比較的温暖な気候、1日の寒暖差の激しさ、夏の少雨など、余市の地形と気候はフランスのブルゴーニュと似ているそう。
余市の生産者たちはフランスへの視察を重ね、ワイン用のぶどう作りを試行錯誤してきました。
そして平成23年に道内では初の内閣総理大臣による「ワイン特区」に認定。これにより、最低製造数量基準が3分の1に下がり、生産者が営む民宿やレストランで提供するための最低製造数量基準が適用されないなど、小規模なワイナリーが起業しやすい環境になりました。
今ではぶどう農家は50軒、ワイナリーは11軒を数えるといいます。
2021.08.28(土)
文・撮影=古関千恵子