希少ワインも購入できる「余市ヴィンヤードグランピング」に宿泊

 今回の宿は、ぶどう畑の真ん中に立つ「余市ヴィンヤードグランピング」。グランピングとはここ数年で定番になりつつある、面倒な準備や道具がなくても、快適にキャンプができる宿泊スタイルです。

 「余市ヴィンヤードグランピング」には、北欧のアウトドアブランド「ノルディスク」の「アスガルド」という、コットン製のベルテントが7張。広さは28平方メートルあり、ゆったりとしています。

 内装はワインの本場、欧州のカントリー風。ベッド2台、旅行鞄のようなテーブルやスツール、ハンガーラックや靴箱などが置かれています。キャンプ=ごつごつした床に寝袋で横たわる、そんなキツいイメージを払拭するおしゃれな仕様です。

 テント前にはテーブルを置くデッキがあり、焚き火台(薪は使い放題)や、コンロ&トングなどのバーベキューセットはレンタルが可能。トイレ&シャワーは別棟ですが、タオルや歯磨きセットも用意されています。まさに手ぶらで快適にキャンプが楽しめます。

 そして人々が集まるコミュニティセンターには、販売機やコーヒーメーカー、朝食用のトースターなどに加えて、目に留まるのが余市産のワイン。小規模ワイナリーの希少なワインも並んでいます。

 実は、「余市ヴィンヤードグランピング」のオーナー、相馬慎吾さんはワイン用ぶどうの生産者。特定のワイナリーと契約することなく、いろいろなワイナリーにぶどうを卸すことで信頼関係を構築。そのため新しいワイナリーや、予約激戦のワイナリーからもワインを仕入れることができるのだそうです。

 今回、選んだのはリタファーム&ワイナリーの「HANABI 田舎式スパークリング旅路」。フランスのシャンパーニュメゾンでワイン造りを学んだ女性醸造家が、夫婦で切り盛りするワイナリーによるもの。自社農園で育てた「旅路」という品種のぶどうを使い、できるだけ低農薬、野生酵母で自然発酵させた、余市の大地を感じるテロワールです。

 食事は、余市の食材を楽しめる「道産ブランドBBQ」をチョイス。余市ブランドの「北島豚」、道産の「桜姫鷄」のモモ肉、余市ブランドEBIJIN鹿のスペアリブ。そして地産のズッキーニ、パプリカ、紫玉ネギ。食材は鮮度がいちばん。とれたての食材はどれも味わい深く、食べ物からも大地の恵みを感じました。

2021.08.28(土)
文・撮影=古関千恵子