毎日、揚げたてドーナツが6種類

左から、全粒粉120円、黒蜜140円、ラムレーズン130円、豆富120円

 数年前、ドーナツのブームがあって、豆腐ドーナツや油で揚げない焼きドーナツなどが脚光を浴びました。「トキワ」のドーナツは油で揚げた、昔ながらのドーナツ。毎日6種類、揚げたてがお店に並びます。

 定番は、豆富、黒蜜、全粒粉、塩の4種類。それに、曜日毎に異なる2種類が加わります。たとえば、5月の火曜はよもぎとにっき、金曜は焦がし醤油と白きなこ、土曜はあんドーナツと麦こがしといった具合に、オリジナルのドーナツが日替わりで登場。ドーナツとしての味が想像できないものもあって、興味津々です。

6種類のドーナツは、味だけでなく食感も違う

持ち帰りの袋も可愛い

「味はもちろん、それぞれで生地を変えているので、プレーンのドーナツがないんですよ」と、ご主人。小麦粉、米粉、卵、豆乳、牛乳、砂糖、塩、太白ごま油などの配合を、ドーナツの種類毎に変えているのだそう。「味が変わっているだけでは楽しくない。全部、味も食感も違うドーナツにしたくて」。たとえば、豆富はモチモチ、全粒粉はサクサク、黒蜜はカリカリ。それぞれで異なる食感が楽しめます。 

納得の素材だから、お客様にも販売

 使っている素材や調味料にもこだわりたっぷり。小麦粉は熊本県熊本製粉の九州産小麦100%。卵は三重県鈴鹿産の生食用「アルギットヨード卵」。豆富は広島県椿き家さんの「塩豆冨」。砂糖は鹿児島県種子島産「洗双糖」。醤油は広島県岡本醤油醸造場の杉桶仕込み醤油。揚げ油は植物油100%。生地に入れるのはバターでなく、太白ごま油。そんな素材や調味料そのものをお店で一部販売しているのも、安心できる要素のひとつ。

ほうじ茶、緑茶、紅茶にあうドーナツ。夏は麦茶にも

お茶と一緒に召し上がれ

 食べてみると、甘さ控えめで、後口の油のベタベタが全くありません。ふんわりだったり、もっちりだったりの食感の違い、また、きなこの香ばしさや黒糖の奥深い甘さなど、味わいの違いが楽しくて、ついもう1個と手が出てしまいます。いくつでも食べられそう。

「一番人気は豆富、二番は黒蜜」とのこと。季節感のある、かぼちゃやさつまいも、桜といった種類や、土日限定で、雑穀を使った「五穀棒」も登場します。「塩はほうじ茶と、黒蜜は緑茶と、豆富は紅茶と相性がいいですよ」。夏は麦茶と一緒に食べたい!

 和の素材できちんと作られたドーナツ。優しい味わいの虜になってしまいます。

トキワ (toquiwa)
住所 兵庫県西宮市松生町12-21 第2寿松ハイツ1階
電話番号 050-3604-8791

宗田洋子(そおだ よおこ)
ライター。神戸生まれの神戸育ち。神戸を離れたことがない神戸っ子。ライター歴30年以上で、関西の雑誌の取材だけでなく全国誌でも関西取材を手がけ、老舗から新店まで回ったお店は数知れず。移り変わる街を見続けてきた。食いしん坊で飲んべえ。

Column

そおだよおこの関西おいしい、おやつ紀行

生まれも育ちも神戸の生粋の神戸っ子で、長年の関西での取材経験からおいしいお店を知り尽くしている、ライターのそおだよおこさんが、関西の「今、食べてほしい!」というおやつを紹介します。

2013.05.26(日)