●アイドルではなく「エンタテインメント集団」

――大学在学中、事務所に役者としてスカウトされたときの心境は?

 5歳から18歳まで、13年間サッカーを続けてきて、「次に続けられるものは何だろう?」と模索していたタイミングだったので、役者の道に懸けてみようと思えたんです。

 今思うと、昔の自分はカラオケとか人前で何かをするのが苦手だったし、周りにカッコいい人はいっぱいいるし、「自分には向いてない」と思っていたんです。だから、裏方の道に進もうとしていた気がするんですね。

――その後、ボーイズグループ「BOYS AND MEN(ボイメン)」のメンバーとして、グループ旗揚げからミュージカル公演を行っていきます。そこからインディーズでCDリリースをし、アイドル的な人気になりましたね。

 当初、ミュージカルのお客さんがまったく増えなかったこともあり、町のお祭りなどに出たりしていたんです。でも、短い持ち時間で、自分たちのミュージカルの楽曲を歌ったり踊ったりしても、お客さんにはまったく届かない。

 だから、自分たちの持ち歌を歌うようになったんです。つまり、アイドルになるためとかでなく、単にグループを存続させる方法のひとつとして、CDを出し始めたんです。

 だから、今でもアイドルグループではなく、「エンターテインメント集団」という表現を使っているんです。

2020.07.10(金)
文=くれい響
撮影=佐藤 亘