車いすテニス界で活躍するエンジニアとプレイヤー

 オリンピックと共に約1年の延期が決定した、東京パラリンピック。

 種目に選ばれている障害者スポーツのひとつ、車いすテニスを題材に、少女小説出身の阿部暁子が傑作を書き上げた。


パラ小説 #01『パラ・スター〈Side 百花〉』

 第1巻に当たる〈Side 百花〉は、競技用車いすの新米エンジニア・山路百花が主人公だ。

 彼女がこの道を進んだきっかけは、中学2年生の頃から10年来の親友であり、日本代表チームに選出された車いすテニス界の新鋭・君島宝良の存在があった。

『パラ・スター〈Side 百花〉』

阿部暁子 集英社文庫 580円

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選手を支えるエンジニアのやりがいを描くお仕事小説

 でも宝良の活躍に比べると、自分なんか……。

 うずくまりそうな心を奮い立たせてくれたのは、クライアントだ。

 車いす製作ならではの営業設計(=クライアントと直接やりとりし、その要望をもとに図面化まで引き受ける)という仕事のやりがいが、彼女にこの道を選び直させる。いわば、天職を知る物語なのだ。

2020.07.27(月)
文=吉田大助

CREA 2020年6・7月合併号
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。

この記事の掲載号

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