vol.31 A. LANGE&SÖHNE(A.ランゲ&ゾーネ)
「リトル・ランゲ1・ムーンフェイズ」の時計
「美佐季さんは、どんな時計がお好きですか?」
この仕事をしていると、よく聞かれるのがこんな質問。仕事で、山のように時計を見ていますが、実際に「自分が欲しいか」となると、なかなか意中の時計に出合えないもの。
そんな中で、私が個人的にとても気に入っているのが、この「リトル・ランゲ1・ムーンフェイズ」です。
A.ランゲ&ゾーネは、1845年にドイツのグラスヒュッテで創業した名門時計メゾン。
美しく、精密な機構の時計は、すべて一流職人の手作業で作られており、生産数が限られているため、「知る人ぞ知る」存在。
男女問わず、ランゲの時計をしている方を見たら、「うわ! 洒落てる!」と一目置いてしまう、“通好み”の時計です。
私自身、「ランゲを選ぶ人」という時点で惹かれ、「どういう人なんだろう」と、バックグラウンドやパーソナリティにも興味がわく……そんな時計だと思います。
ランゲの時計は、これ見よがしでなく、控えめな美しさを貫いているところが好き。
この時計も、時を超えるシンプルさ、本物の持つ気品、そこはかとなく漂う女っぽさ……私が時計に求めるすべてが凝縮されている気がするのです。
この時計は、例えば白シャツなど端正な服に合わせても素敵ですが、今回はあえて光沢素材のオールインワンに。リラックス感もあるけれど大人、そんなムードにスタイリングしました。
ローズゴールドのまろやかな艶と白のアリゲーターストラップが華やかさと上品さとを漂わせており、マニッシュなムードの服とのコントラストが素敵。
いつかこんな時計が買えたらいいな……そんなふうに思える憧れの時計です。
A.ランゲ&ゾーネが初コレクションのひとつとして発表した代表的なコレクションが「ランゲ1」。
その流れを汲んだこちらのモデルは、独自開発したムーブメントを搭載。
瞬転式アウトサイズデイト表示と、ムーンフェイズ表示、ふたつの複雑機構を搭載。ギョーシェ模様が見事。
伊藤美佐季(いとう みさき)
ジュエリーディレクター、スタイリスト。フィレンツェに遊学、帰国後スタイリストに。数々の女性誌で活躍するほか、有名女優からも支持が厚い。近著に『そろそろ、ジュエリーが欲しいと思ったら』(ダイヤモンド社)。
Column
伊藤美佐季のSource of yourself
ジュエリーディレクターの伊藤美佐季さんが指南する、大人のためのジュエリーの選び方と、つけ方のエッセンスを連載でお届けします。
2020.03.19(木)
Styling=Misaki Ito
Photographed=Masami Naruo(SEPT)
Make-up=Kie Kiyohara(beauty direction)
Hair=Nori Takabayashi(YARD)
Text=Miwako Yuzawa