世界中でいま、ピーナッツに注目が集まっています。栄養バランスが優れているにもかかわらず、値段が安く、しかも美味しいから。

 その健康効果を慶應義塾大学医学部の井上浩義教授・著『ハーバード大の研究でわかった ピーナッツで長生き!』よりご紹介します。

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ピーナッツで便秘が治る理由は?
「腸内細菌が腸を刺激する」から

 ピーナッツには、お通じをよくする効果があります。食物繊維をたくさん含むおかげです。

 便秘には医学的な定義がありませんから、自覚症状次第ということになります。厚生労働省の「平成25年 国民生活基礎調査」によると、便秘の自覚症状がある成人の割合は男性 4.0%。女性 5.9%だそうです。実際には、思い当たる人はもっとずっと多いのではないでしょうか。

 はっきりしているのは、歳を取るにつれて症状を自覚する人が増えること。そして、便秘に悩まされている女性は、男性の約1.5倍いることです。ピーナッツを用いた、便秘に関する最新の研究があります。

 40代を中心とする健康な女性16人(平均年齢45.1歳)に、毎日30粒のピーナッツを8週間食べてもらい、お通じに変化があったかどうか調べたものです。このような研究は日本ではとても珍しく、私も注目していました。結論からいうと、明らかな改善が見られたとのことです。

 16人全員の平均では、便通が改善する傾向は見られたものの、ピーナッツの影響があったと言い切れる違いには達しませんでした。一方、16人の中から「便通が週4回以下」だという便秘傾向の女性だけ抜き出して比較したところ、明らかに改善されたと言えることがわかりました。

2019.06.12(水)
文=井上浩義