80~90年代の再ブームネタに
感涙した秋ドラマ

 心にすきま風がガビュンガビュン入り込む秋冬の夜長。寂しい独身アラフィフの心を慰めてくれるもの。それはドラマ!

 しかも新聞広げながら「ヨッシャヨッシャ今日は『リーガルV』」とかいいながら見ることに幸せを感じる世代である。皆さんはなにが好きでしたか。

 「科捜研の女」? わかるわ沢口靖子の安定感はスゴい! 「獣になれない私たち」? 確かにガッキーは裏切らんですな! 

 私にも言わせてプリーズ。今クールは80年代、90年代の匂いを感じる再ブームネタが多くて祭りでしたからッ。

 まずこれを書かなくて何を書くかよ月9の「SUITS/スーツ」。

 27年ぶりの織田裕二と鈴木保奈美。カンチとリカのコンビがまた拝めるとは。ナイスキャスティング、グッジョブフジテレビ!

 超高そうな服を着てどこまでもアメリカンなボディランゲージとジョークをかっ飛ばすユージと保奈美のオレオレ演技。

 実際に知り合いにいるととてつもなく面倒臭いタイプだろうが、見ているぶんには最高に爽快であった。

 日曜22時半からの「今日から俺は!!」もよかったなあ。

 今さら80年代ヤンキー物語なんざウケるはずがないと思った放送前の私の後頭部をドリブルしたいぜ主題歌が「男の勲章」という時点でイカシてるじゃねえか愛羅武勇。

 伊藤健太郎さんのファンになっちまったぜこの溢れる気持ち仏恥義理。

 これをやるんなら主題歌が「ジェームス・ディーンのように」だった、ドラマ「茜さんのお弁当」もリメイクしちゃいなよYOU! 『ビー・バップ・ハイスクール』『湘南爆走族』も見たいぜ夜露死苦!

 じっくり語り合いたいのは日曜21時「下町ロケット」。

 重要キャストに昭和の大スターを配し、演技を自由にさせた結果、各々がオレオレ重厚な芝居を炸裂。それを有望な若手俳優が脇で健気にフォローするという、歌番組でいうと「思い出のメロディー」的バランスが見事であった。

 その愛しくて切なくて暑苦しいキャストをぜひもう一度振り返ろうではないか。

2018.12.13(木)
文・撮影=田中 稲
写真=文藝春秋