◆肉割烹しんしん[三鷹]
出汁を効かせた品々が
夏の胃袋に染みる
高円寺「獅子丸」、阿佐ヶ谷「SATOブリアン」、吉祥寺「肉山」など、中央線の新宿から西は、人気肉料理店の宝庫である。そして今回は、吉祥寺のひとつ先、三鷹へ。肉割烹の新店にお邪魔してみた。
北口から歩くこと3分。住宅街かと思いきや、個性的な飲食店がポツポツと立ち、なかなか面白いエリア。信号をわたり、趣のある扉を開ける。
上品なしつらえのカウンター7席。本日のお品書きが置かれている。なんと15品だ。値段(※後半で明かします)を知っているだけに少々驚く。
水無月(6月)のおまかせコースがスタート。
まずは、牛アキレスと鬼もずく。キウイ酢の酸味がいい塩梅。爽やかに喉元を滑り落ちて行く。
鳥やら牛やら、さまざまな肉を使った前菜が次々と運ばれる。塩分は控えめ、 しかし、“優しい”のひとことで片づけられない、気の利いた味わい。これはいいな。
肉に合わせて出汁も変えている。それぞれの持ち味を生かした硬さに仕上げ、季節の野菜との合わせ方も絶妙。聞いていた料金で合っているのか心配になってきた。
2018.07.23(月)
文・撮影=Keiko Spice