しゃぶしゃぶにするか
せいろ蒸しにするか
◆農場直営 和牛きんか(浜松町)

「Keikoちゃん、浜松町で牛食べへんか?」
“和牛博士”の異名をもつ肉のプロフェッショナルから招集がかかった。もちろん、行かねばならない。
ふたつ返事で向かった先は、浜松町駅北口。駅から徒歩2分。汐留ビルディングのなかにハマサイトグルメという飲食街があるのだ。エスカレーターで2階へ。「農場直営 和牛きんか」に到着した。

白木をいかした上品な店内は、テーブル席が中心。

さっそくメニューを拝見。えっ。
その安さに驚く。つまみ類の値段は3ケタで揃えられ、メインのしゃぶしゃぶや、せいろ蒸しのコースも3,800円から。「和牛農場の直営やからな」と和牛博士。
母体は宮城県石巻の「うしちゃんファーム」。ちょっとクスッとなる社名だが(失礼)、自社農場で約1万頭の牛を育てており、今回は“東北の和牛を全国の人に知ってもらいたい”という思いで、東京への進出を決めたのだそうだ。
いや、それにしてもお値打ちすぎでは。こうなったら、しゃぶしゃぶ、せいろ蒸しの両方をいただくことにしよう。“迷ったら両方”、これが私のスタイルだ。
コースの前菜が運ばれる。和牛ミスジの炙り握り、和牛モモの湯引き軍艦、和牛ロースメロンの3品。ごまかしのきかないシンプルな味付けにもかかわらず、さすが農場直営だなと思わせるクオリティ。このあとも期待させる幕開け。

まずは、しゃぶしゃぶから。和牛テールスープと、すき焼きスープが張られた鍋が到着。

たっぷりのネギとお麩も到着。まずはネギをスープに入れ、そこに肉をさっとくぐらせ、食べるのだという。肉は「赤」(赤身の短角和牛)か「黒」(サシたっぷりの黒毛和牛)を選ぶことができ、赤なら3,800円、黒なら5,800円(極11,000円もあり)となる。

しゃぶしゃぶは「黒」でお願いした。サシたっぷりの肉は、数秒スープの中で泳がせれば充分。まずはすき焼きスープに投入した肉をネギと一緒に。生卵とともにいただくと口の中は幸せいっぱい。和牛テールスープのほうは、4種類のつけだれとともに味わう。

肉をさらったところでお麩を投入。汁を吸ったお麩のうまいことよ。しゃぶしゃぶの〆には、うどんか蕎麦が用意されている。どちらがおすすめか聞くと、テールにはうどん、すき焼きには蕎麦だという。「両方持ってきてや」と和牛博士。私の心を読んでくださり、感謝です。
さて、次はせいろ蒸しの出番。と、その前に、サイドメニューも少々つまんでおこう。和牛すじ煮込み、和牛もつ煮込みはどちらも480円。和牛ホルグラタンなる一品も! 焦がしたチーズがうまい! これで680円はお得ではないか。

2018.04.09(月)
文・撮影=Keiko Spice