恋の舞台・宇治に息づく、源氏物語
紫式部によって執筆された「源氏物語」。ご存じ、文武両道に優れた、平安のスーパーヒーロー光源氏と数多くの女性達との恋の物語です。
全部読もうと思ってもなかなかそうはいかないくらいの大長編ですので、今回は宇治を舞台に、光源氏の子孫・薫(かおる)と匂宮(におうのみや)を描いた「宇治十帖」に注目してみました。
薫は光源氏の息子とされていますが実子ではありません。匂宮は実の孫です。何の因果か、この二人はライバルとなってしまいます。
薫は、宇治に住んでいる叔父の娘である大君(おおいきみ)と出会って恋をします。ややあって、彼女は病気で亡くなってしまい、薫の恋は一旦終止符を打ちます。けれども、大君の異母妹の浮舟(うきぶね)に恋をして、匂宮と三角関係に……。
恋においても、ライバルとして競い合う宿命だった薫と匂宮。大君の妹である中君(なかのきみ)、そして浮舟ら、5人の登場人物の熱い“恋のバトル”が繰り広げられます。それが「宇治十帖」のクライマックスです。
2012.03.27(火)