海抜2240メートルの高原盆地に位置する、メキシコの首都メキシコシティ。人口約2000万人というこの巨大都市から北へ向かう旅で出合うのは、カラフルな街並みや民芸品、ワインにメキシカングルメ……。歴史と現代が融合するメキシコ中央高原への旅は、発見と感動に満ちていた。

 近年、メキシコ国内で、おしゃれな「ブティックホテル」が続々と誕生している。これは、アパートや大型邸宅を改装したデザイナーズホテルで、各オーナーの独自のセンスやコンセプトが光る。また、客室数が少ないため、親切で丁寧なサービスを受けられるのも嬉しいところ。

 今回は、よりデザインフルで、食事やスパ、ショッピングなども併せて楽しむことができる、グアナファト、サン・ミゲル・デ・アジェンデ、メキシコシティの4つの人気ホテルを紹介しよう。

グアナファトビューを独り占め!
元大統領の別荘で贅沢ステイ

 グアナファトの山の上に立つ「Mision Grand Casa Colorada」は、メキシコ合衆国の第50代大統領を務めた、ルイス・エチェベリア氏の別荘を改装し、2009年にオープンしたミシオン系列のホテル。

全6室ある部屋のうち、5室からグアナファトビューを眺めることができる。お願いすれば、バルコニーまで朝食を運んでくれるそう。

 街を見下ろすようにして立つ「ピピラ記念像」よりもさらに高い標高に位置し、客室からはカラフルなグアナファトビューを一望することができる。まるで芸術作品のような愛らしい街並みを眺めながら、何もしない贅沢を堪能して。

お値段は、一室朝食付きで2,800メキシコペソ+宿泊税19パーセント(国税16パーセント+宿泊税3パーセント)。週末は特に人気のため、予約はお早めに。
窓を開け放し、グアナファトの風を感じながら、ゆったりバスタイム。
メキシコ伝統の陶器「タラベラ焼」を使ったシンク。蛇口のデザインもかわいい!
アートに満ちた落ち着きのある館内。階段にさりげなく使われているタイルは、メキシコの人間国宝、ゴルキー・ゴンザレス氏の特注品。

 ディナーには、館内にあるレストラン「La Casa Colorada」へ。種類豊富に揃うメキシコ伝統料理を、メキシコ産のクラフトワインとともに、ゆったりと味わって。

 こちらでは、ぜひ窓際のテーブル席を予約して、グアナファトの美景に囲まれながら口福なひとときを。

夕方早めに訪れて、サンセットから夜景へと変わりゆく街の表情を楽しんで。
近年、注目を集めているメキシコワイン。この国の元気な太陽によって旨みがぎゅっと凝縮された、フルーティーな飲み心地が特徴的。
バナナの皮で豚肉を蒸し焼きにしたユカタン半島の郷土料理「コチニータピビル」、バハ・カリフォルニア州で養殖しているツナのスパイシーなバルサミコソテー「アトゥン・セジャート」、赤と緑に着色されたカラフルなトルティーヤチップスなど。
食後のデザートを食べ終える頃、窓の外には、まるで宝石箱をひっくり返したようなロマンチックな夜景が。ワインを片手に、しばらくうっとり眺めていたい。

Mision Grand Casa Colorada
(ミシオン・グランド・カサ・コロラダ)

http://www.hotelesmision.com.mx/guanajuato_colorada.php

2017.08.05(土)
文・撮影=中山理佐