17歳のときに雑誌「non-no」の専属モデルとしてデビュー、「森きみ」の愛称で親しまれ、結婚して母となった今もモデルとして活躍している森貴美子さん。パンが大好きで朝食はパン派という森きみさんが、行列パン、ご当地パン、コンビニパンなどなど、実際に食べて1年間撮りためたパンの写真をもとに綴った書き下ろしエッセイ集『森きみのパンダイアリー 毎日がパン日和』が刊行されました。

 この特集では、その著書の中から6本のエッセイを特別にお届けします。

●ボリューム満点、驚きのサンドイッチ

 「とてつもなくボリューミーなサンドイッチが食べられる喫茶店があるよ」とお誘いいただき、行ってきました。東銀座、歌舞伎座の裏にある「アメリカン」。

 メディアにも多数紹介されているのでご存知の方もいらっしゃるかも。私もテレビや雑誌で拝見していて、ずっと行ってみたいなと思っていました! 行ったのは平日のお昼過ぎでしたが、案の定列をなしていて、並んでいる間もテイクアウトでポンポン売れていくサンドイッチを眺めながら、その人気ぶりに期待を膨らませていました。

 30分ほど並びお店に入った瞬間……もうパンの香りがすごい! 店内を見ると、1斤丸ごと使ったサンドイッチが次々と運ばれていく……。それを見て、覚悟は決めたものの、やっぱり目の前に現れたサンドイッチのボリュームときたら! 1斤を半分にカットしてその中に具材が挟まっているのですが、その具の量も持ち上げたらこぼれそうなほどギュウギュウ。半分にカットされていてもその厚切り加減たるや半端ない。おまけにサラダも山盛りな上に、そのサラダにフタをするようにパンの耳(耳といってもみなさんがご想像するあの細い耳ではなく食パンの端っこの正方形のところ)が添えられている……!

 パストラミビーフサンドは、もう具がパンにおさまりきらず、ギリギリアウトの満員電車を彷彿とさせる。なんか本当に、いろいろすごすぎて度肝を抜かれました(笑)。

 まずはサンドイッチを両手で捕獲し(!?)、小麦の香りを顔面に受けながら、パクリ……とできない! どんなに口を大きく開けても、(心苦しいけど)パンをキュッとつぶしても、元々厚みがあるので口に入らない~! 無理矢理パクリとかじっても結局ポロポロと具がこぼれてそれを拾ってのせて食べてという、もはやサンドイッチの意味はどこへやら~のボリューミー厚切りサンドイッチ! パンがふかふかで柔らかくていつまででも食べていたくなりますが、到底食べきれる量ではないのでプラスチックパック(お店の方が積極的に持たせてくれる)に入れて持ち帰りました。

 「アメリカン」という名前だけど、アメリカ人もきっと「OH!」とビックリすること間違いなし! の喫茶店だと思います。付き合いたての恋人とよりは気心知れた友だちと行くことをおすすめします(初々しい期間は、大きな口開けられないもんね。笑)。

喫茶 アメリカン
所在地 東京都中央区銀座4-11-7
電話番号 03-3542-0922

『森きみのパンダイアリー 毎日がパン日和』

著・森貴美子
本体1,300円+税 文藝春秋

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森貴美子(もり きみこ)
神奈川県出身。雑誌「non-no」モデルとして、17歳でデビュー。「森きみ」の愛称で親しまれ、以後12年間レギュラー出演し、2010年3月に卒業。現在は、数々のファッション誌やCMで活躍中。著書に『森きみの毎日の家事が楽しくなるシンプル暮らし』『森きみのハッピーエブリデイ』『森きみタイム』『humming life』などがある。