シェフとの対話を通して、料理の答え合わせを

 食事中は、布施シェフから「なにを食べているのかわかりますか? 」などと尋ねられたり、こちらからも地域で採れる食材や調理法などについてシェフに伺ったり。前述したように食材はさまざまな保存方法で工夫が施されているため、なにを食べているのか皆目見当のつかないことも......答えがわかると驚きとともに料理の奥深さを実感できます。

 そんなやりとりをする中、頃合いを見計らって一皿ごとに配られるのが、料理について書かれた一枚の紙です。そこにもメニュー名はなく、例えば「川へ還る命の循環」などのタイトルが記され、料理の背景や楽しみ方、意図などが哲学的な言葉で綴られています。コースの順番に読んでいくと、「Né」を象徴する大きな物語が立ち現れるような構成です。

 ディナーの時間はおよそ3時間。料理にまつわる物語と相まって、一皿目、二皿目というよりは、一幕目、二幕目と言ったほうがしっくりくるような至福の時間。こちらではゲストはいわば美食の舞台をともにつくりあげる役者であり、それでいて観客でもあるような唯一無二の体験が味わえます。

次のページ 食後はそのまま部屋へ。1日1組限定の宿泊体験