ものづくりの精神を受け継ぐ緻密な美を纏った芸術作品
イタリアを代表する、老舗にして名門自動車メーカーとして知られるマセラティ。1914年、エミリア=ロマーニャの古都ボローニャでマセラティ兄弟が立ち上げた、典型的なファミリービジネスから始まった。その中心は、機械工学の才に恵まれた四男アルフィエーリ。元々は小公国が乱立していたイタリアで、自動車の黎明期は、1870年の統一から半世紀ほど後のこと。人々が公道レースに熱狂する中、ロンバルディアを地盤とする名門のワークスやメーカーを相手に、目覚ましい活躍を遂げた家族経営のブランド、それがマセラティだった。
1920年代以降、マセラティはフランスのブガッティや英国のベントレー、ドイツのメルセデス・ベンツに伍して、グランプリ・レースの檜舞台で、押しも押されぬ強豪に昇りつめていく。やがてボローニャの西北にある街、モデナの資本家が経営に参画し、同地に拠点を移した。第二次世界大戦後の1940年代末からは、顧客の要望に応じて長距離を快適に駆け抜けるのに適した「GT(グラントゥーリズモ)」というジャンルを確立。かくしてイタリアン・モダンを代表する流麗で美しいボディを纏ったGTカーは、今も受け継がれるマセラティの伝統となった。
モータースポーツの黄金期、マセラティは幾多の世界チャンピオンを生み出した一方で、飛び抜けて先進的でもあった。1955年からナポリ出身の女性ドライバー、マリア・テレーザ・デ・フィリッピスにマセラティ250Fを託し、彼女は世界初の女性F1ドライバーとして1958年にはモナコやベルギーのグランプリに出走、10位完走を果たした。フェミニズムという言葉さえなかった時代の偉業だ。
歴代のGTカーはスポーティでありながら、決して運転の難しい車ではない。いつの時代も最先端テクノロジーを巧みに採用しつつ、これ見よがしに技術やスペックが勝ち過ぎることはなく、乗り手の意志に、深く賢くつき従う。エンパワーメントそのものだ。
最新SUVである「グレカーレ」でも、それは変わらない。V6エンジンは副燃焼室機構というF1並のハイテクを用い、ひたすら滑らかで力強い。内装はGTのプロトコルに則って耐久性に優れた、でもやわらかなナッパレザーで優しく身体を包み込む。デコラティブではなく、実利的なのに華がある。そんな美しいレイアウトのインテリアは、ただ長時間ドライブで快適なだけではなく、短時間でも車内で過ごす時間、体験の質を高めてくれる。
ちなみに好みのボディカラーや内装仕立てを指定できるパーソナライズ・プログラム「フォーリセリエ」とは、“特注品”という意味。初期のGTが限られた顧客に応じて一台一台、ビスポーク誂えだった名残りで、今も同じサービスを再現しているのだ。
だからマセラティは多くの自動車愛好家に、終の一台にしたいとまで言わせしめる。それは乗れば合点がいくより、パッションとして身をもって感じられるもの。この歓びを知らずして、”大いなる旅”を語ることなかれ、だ。
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マセラティに関するアンケートにご回答いただいた方の中から抽選で合計4名様に、ザ・リッツ・カールトン東京クラブデラックス1泊朝食付きご宿泊招待券1組、マセラティ グレカーレ 1DAYモニター(お食事券付)、イタリアのサングラスブランド「ロッツァ」のサングラスをプレゼント。
回答方法:こちらよりご回答ください。 応募締切:2026年1月13日(火)
●お問い合わせ/マセラティ
フリーダイヤル 0120-965-120
◎衣装クレジット
[モデル]カーディガン、ブラウス 各217,800円/ファビアナ フィリッピ(コロネット:03-5216-6516) その他/スタイリスト私物
[静物]スーツケース/FPM Milano ショールーム:03-6380-8061 サングラス49,500円/ロッツァ(デリーゴジャパン:03-6265-4878)、帽子(ライター私物)
概要
| 応募期間 | 2025年12月1日(月)~2026年1月13日(火) |
|---|---|
| 賞品 | 「ザ・リッツ・カールトン東京クラブデラックス1泊朝食付きご宿泊招待券1組」「マセラティ グレカーレ 1DAYモニター(お食事券付)」「イタリアのサングラスブランド『ロッツァ』のサングラス」 |
| 当選人数 | 合計4名様 |
| 応募方法 | 下のボタンより応募フォームにお進みいただき、必要事項をご記入の上、ご応募ください。 |
注意事項
- ・賞品の発送をもって発表に代えさせていただきます。
- ・ご応募はおひとり様1回限りとさせていただきます。
- ・応募期間終了後、厳正なる抽選の上、当選者を決定いたします。
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Column
CREA Traveller
文藝春秋が発行するラグジュアリートラベルマガジン「CREA Traveller」の公式サイト。国内外の憧れのデスティネーションの魅力と、ハイクオリティな旅の情報をお届けします。
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- Text=Kazuhiro Nanyo
Edit=Ikuko Dobashi
Photo=Kazuki Nagayama(S-14)
Styling=Kozue Onuma(eleven.)
Hair=SHOTARO(SENSE OF HUMOUR)
Make-up=ANNA(S-14)
Model=Ami Suzuki(SATORU)
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CREA Traveller 2026年冬号
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。







