ごろっと胡桃、しっとりにんじん。米粉で焼くキャロットケーキが評判

 米粉や小麦粉へのこだわりだけでなく、季節の果物や野菜も質の良さを大切にし、なるべく生産者のわかる食材を使用しているsankakuの焼き菓子。ほとんどが週替わりという多彩なラインアップは、岡田さんが一人でメニューを考え厨房で焼き上げています。

 そんな中から、お店の看板メニュー「米粉のキャロットケーキ」と、岡田さんイチオシの「かぼちゃのプリン」をいただきました。

 たっぷりの有機にんじん、有機レーズン、胡桃、そしておからパウダーが入ったキャロットケーキ。

「ずっしりとしたキャロットケーキが好きで、米粉でできたらおもしろいと思って作りました」と岡田さんが話すように、米粉特有のパサつきを感じることはなく、重たすぎることもない絶妙な質感。米粉と言われなければわからない完成度はまさに岡田さんの狙い通り!

 口にするとまずスパイスの豊かな風味が広がり、噛むごとにレーズンや胡桃の楽しい食感、素材の甘さがじんわりと。「この理想のキャロットケーキを完成させるまで、2年は改良を重ねました」という妥協のない力作なのです。

 続いて「納得のいくものができました! 」と岡田さんが話す、理想を追求したというかぼちゃのプリン。卵を使わず、かぼちゃと豆乳、少しの牛乳、そしてきび糖で丁寧に仕上げています。とにかくかぼちゃが濃い! 余計な甘さを加えないぶん、かぼちゃ本来の濃厚な風味と、なめらかな口どけが際立ちます。

「プリンは普段あまり提供しません。でも、かぼちゃのプリンは私が自分で食べたくて」とのことで、sankakuではプリンはレアメニューのよう。

 かぼちゃのプリンは11月いっぱいの提供(予定)ですが、基本的にメニューは週替わり。お気に入りがもう食べられないという寂しさと、毎週新しい美味しさに出会えるワクワク感......それもまたsankakuの魅力といえるでしょう。

次のページ 「このスタイルがしっくりくる」間借りだから叶うしなやかな店づくり