京都の喫茶店では昔から「イタリアン」とも呼ばれているナポリタンスパゲティ。
長年愛されてきた街角の名店4軒の、ときどき無性に食べたくなる懐かしの味をご紹介。
» 第1回 ふんわり卵を敷いた鉄板ナポリタン「喫茶マドラグ」
» 第2回 極太麺の洋食風ナポリタン「イノダコーヒ本店」
» 第3回 ほんのり甘く優しいナポリタン「前田珈琲 室町本店」
◆ 喫茶チロル
どこにもありそうでどこにもないスタンダード
「ほんまにウチは普通の家庭の味で、なんも特別なことはあらしません」と話すのは、昭和43年にご主人と店を始めたお母さん。ご主人亡き後、息子の誠さんと守るイタリアンスパゲティは、温かみある昭和喫茶軽食の基本形。
口に残る大きめの甘い玉葱、扇形のハム、ピーマン短冊とマッシュルーム。ケチャップとトマトピューレをブレンドして、酸味と甘さのバランスに気を配る。麵は1.9ミリで、ソースによく絡む丸い仕上がり。どこにもありそうでどこにもないスタンダードが、今日も幸せにしてくれる。
お母さん 秋岡登茂さん
「1.9ミリ麵×ケチャップ&トマトピューレを食べに来てね」
喫茶チロル
所在地 京都市中京区御池通大宮西入ル門前町539-3
電話番号 075-821-3031
営業時間 6:00~19:00
定休日 日曜・祝日
URL http://tyrol.favy.jp/
※カード利用不可
2015.11.06(金)
text=Yoko Fujii
photographs=Hideya Katsura