北本貴子さん
家族:夫、12歳長女、7歳長男、4歳次女

ラナンキュラス株式会社代表取締役

 「ママと社会を結ぶ企業の代表取締役で3児のママ」と聞き、人を寄せ付けないようなバリバリのスーパーウーマンかと思いきや、ラフな格好で取材場所に現れた北本さんは、気さくなママ友といった雰囲気だった。

 20代で3児の母となった北本さんは、長女が2歳を過ぎた頃から、派遣、アルバイト、フルタイムと形を変えながら働いてきた。

 PCもデザインもすべて独学。いわばエリートとは縁のない雑草のようなワーママだ。

 職種も選べず、職場の環境によって経理やPCのノウハウも身につけざるを得なかったことが、結果的に今会社を経営する上で役立っている。

 第3子が生まれてからフルタイムで仕事復帰を果たしたものの、あるとき子どもたちが次々とインフルエンザで倒れてしまう。1週間以上会社を休むこととなり、自身も体調を崩して会社勤めの難しさを痛感、その後退職し2011年に個人のデザイナーとして独立した。

 同時期にママとして、mixi、アメブロなどでママコミュニティーを立ち上げる。

 当初はママコミュニティーでオフ会を開催する程度の、趣味の範疇の活動だった。しかし次第にママと企業をつなげてWin-Winの関係を築きたいと考えるようになり、2012年にラナンキュラス株式会社を設立する。

 「ラナンキュラス」とは、もともと北本さんが好きな花の名前。その花言葉から「ママたちが魅力に満ちているということを伝えられる会社にしたい」と考え、社名としたそうだ。

 「ママたちの意見が社会に反映されることは、ママと社会、両方にとっていいことだ」と北本さんは考えている。

 現在、ラナンキュラス株式会社は、ママの意見を企業に届けたり、子どもたちの教育環境をよりよいものにするための「みらいの学校」(外部サイト)を開設するなど、その活動の場を徐々に広げている。

企業の教育イベントの時には、司会もこなす。

2015.06.08(月)
文・撮影=HITOMINA