神戸・元町は、開港で開けた旧外国人居留地や中華街・南京町があり、観光客も多く訪れるエリア。その最寄り駅であるJR神戸線と阪神本線の元町駅北側の路地に、『The PINK WEED cafe』はあります。ここは、2013年9月にオープンしたベジタリアン、ビーガン・カフェ。ビーガンとは、肉、魚はもちろん、卵、乳製品、蜂蜜など、動物由来の食品を食べない絶対菜食主義、完全菜食主義のこと。外国人が多く暮らす神戸でも、まだまだ数少ないお店なのです。

左下から時計まわりに、「季節のパウンドケーキ」、「豆腐のチーズケーキ」、「たっぷりベリーのベイクドチョコムースケーキ」それぞれ520円。
ポップでおしゃれな店構え。

 路地の角にある店は、赤い立て看板が目印。ガラス張りで、昼間、外光がたっぷり入る店内には、テーブルやソファ席がゆったりと配されています。入口正面のケースに並んでいるのは、飾り気のないナチュラルなケーキ。どんな味なのか、とても気になります。

左:軽やかな色づかいの店内。
右:通りに面した窓際の席。
ホール担当の榎本葉子さん。

 お店を営むのは、ホール担当の榎本葉子さんと、お料理とお菓子を作る松本まさこさん。

 松本さんはベジタリアンで、外出すると食事をするお店がなく、困っていたのだそう。「ダイエットのために、玄米を主食、野菜や漬け物、乾物などを副菜とするマクロビオティックに興味を持ち、勉強を始めたのがきっかけです」と松本さん。正食協会のマクロビオティッククッキングスクールで学び、師範科まで卒業。食物の酵素やビタミンなどを摂取するため、できるだけ生で食べるローフードについても学び、1年弱、オーガニックの農園でも働いたと言います。

 そして、神戸のカフェで働いている時、榎本さんと出会い、2人でカフェを始めることに。

 「私自身、重度のアトピーだったんです。今の生活を始めて、とても楽になりました。困っている人のひとつの選択肢になればいいと思っています」と榎本さん。「ベジタリアンの人やビーガンの人だけでなく、普通の人もカフェづかいできるといいと思って。アレルギーの子供さんを持つお母さん達にも来てもらいたい」。

2015.04.26(日)
文・撮影=そおだよおこ