デンマークの食やデザイン、北欧の建築を中心にライフスタイルを提案するイェンス・イェンセンさんの初のレシピ本『イェンセン家のホームディナー』が刊行されました。その中からいくつかの料理を、暮らしを豊かにするエッセンスと共に厳選して紹介します。
Lesson.4
食卓を豊かにするテーブルセッティング
毎日のように食卓で愛用している器や小物は色や素材感を揃え、シンプルなものを使っています。そもそもテーブルセッティングはゴージャスに食卓を飾りたてるのではなく、心地よく食事するためにすることですから、あくまで主役の料理がおいしく映えるものがいいなと思っています。
わが家のベースになっている皿は、結婚以来、少しずつ増やしてきた、ロイヤルコペンハーゲンの白い磁器。まず21センチか28センチの基本の皿を手に入れ、次にオーバル(楕円)があると変化がつきやすい。なによりいい器に盛ると簡単な料理もおいしく見えて助けられます(笑)。
家庭で使うナプキンやリングに決まりごとはありません。好きな布やニットを編んでナプキンを手作りしてもいい。リングにはクッキー型、この間は子どもたちが作ったレゴのリングが大好評でした!
そして、うちの食卓に欠かせないエッセンスが、キャンドルの灯り。おもてなしはもちろん、スープとパンだけの昼食でも、火を灯すと食卓の表情を豊かに映してくれ、デンマークで言う「ヒュッゲ(心地よい)」な時間が流れます。忙しいときこそ、そんな心が豊かになるセッティングを大切にしたいと思っています。気負わずに、いまの食卓にまずキャンドルから取り入れてみて。
2014.12.19(金)
撮影=イェンス・イェンセン(料理)、大沼ショージ
構成=おおいしれいこ