デンマークの食やデザイン、北欧の建築を中心にライフスタイルを提案するイェンス・イェンセンさんの初のレシピ本『イェンセン家のホームディナー』が刊行されました。その中からいくつかの料理を、暮らしを豊かにするエッセンスと共に厳選して紹介します。
Lesson.2
軽やかな洋の味は柑橘とハーブ&スパイスがポイント
ボクの料理は、すごくシンプル。煮込みすぎたり炒めすぎたり、「すぎる」ことはしません。調味料も、これだけ? と驚かれることもあるけれど、食べてみると「しみじみおいしい」と言ってもらえます。
「日本人好みのさわやかな洋食」とは、うちでごはんを食べた友人たちによく言われる言葉です。それはフルーツ系の酢や柑橘などの酸味や、ハーブやスパイスなど香味のほどよい使い方にひとつコツがあるんです。
とくに柑橘のやさしい酸味がボクは大好き。たとえば生クリーム系のソースに柑橘の皮をすりおろして仕上げると、香りもよく口当たりもさっぱり。海外だとレモンやライムの果汁を使いますが、日本は種類が豊富なので、サラダや和えものにも、かぼす、ゆず、温州ミカンと季節の柑橘を取り入れて楽しんでます。
うちは小さな子どもがいるのでハーブやスパイスは、刺激の強いものを加えません。食材との相性を知り、食べる人に合わせたさじ加減で使い分けることも大事。サーモン料理のときはディルを合わせ、オールドスパイスとクローブは肉料理に使うと料理のおいしさがぐんとアップしますよ。
2014.12.12(金)
撮影=イェンス・イェンセン(料理)、大沼ショージ
構成=おおいしれいこ