ディカプリオ主演映画のロケ地となったビーチへ

ピピ島周辺には石灰岩質の島々が点在しています。

 ピピ島を訪れる多くのツーリストのお目当ては、レオナルド・ディカプリオ主演の映画『ザ・ビーチ』のロケ地となったピピ・レ島のマヤ・ビーチでしょう。映画では、タイのどこかの島にある、断崖に囲まれたピースなビーチという設定ですが、まさにイメージどおり。浸食によって幾筋か爪痕をたてたような筋の入った岩壁に守られ、背後はジャングル、そして白砂ビーチの先には翡翠色の穏やかな海をたたえた美しいビーチが広がっています。

舳先に色鮮やかなお守りを飾り、派手にペインティングされたロングテールボートをチャーターしてマヤ・ビーチへ。

 マヤ・ビーチの美しさは前々から評判だったのですが、映画の公開から状況が一変。1日ツアーの目玉スポットとなり、大挙して人々が押し寄せるように……。

 人のいない静かなマヤ・ビーチの写真が撮りたい。そう地元の漁師さんに相談すると、思案するように首を傾けながら「早朝に行くしかないね」との答え。翌朝7時に待ち合わせして、マヤ・ビーチへ向かいました。

午前7時30分ごろのマヤ・ビーチ。人はいないけれど、強い日差しもなし……。

 が……、たしかに人はいないのですけれど、高い断崖が朝の日差しを遮るという誤算が! 太陽待ちをするうちにツアーボートが次から次へとやってきて、気がつくと、周囲は人・人・人。まるで夏の湘南をコンパクトにしたような人口密度になってしまったのです。あぁ、これではせっかくの早起きの努力も水の泡。

上の写真から30分後の午前8時ごろのマヤ・ビーチは、こんな状態に。

 けれど、またもや、今度は嬉しい誤算が。大半の1日ツアーはマヤ・ビーチへ訪れても30分間くらいしか滞在しないようなのです。ドーッと人がやってきては、しばらくたつと、潮が引くように去っていく、の繰り返し。その合間を狙って、めでたく(比較的)静かなマヤ・ビーチの写真(前ページ)を撮ることができました。

 話はネーミングに戻って。次に狙うは、バヌアツのエロマンガ島。どんな海が待っているのでしょうね?

ピピ島
●アクセス ピピ・ドン島のトンサイ・ベイへはプーケットからボートで約1時間30分~2時間、またはクラビから約1時間30分
●おすすめステイ先 ジボラ・リゾート
URL http://www.zeavola.com/

古関千恵子 (こせき ちえこ)
リゾートやダイビング、エコなど海にまつわる出来事にフォーカスしたビーチライター。“仕事でビーチへ、締め切り明けもビーチへ”をループすること1/5世紀あまり。世界各国のビーチを紹介する「世界のビーチガイド」で、日々ニュースを発信中。
「世界のビーチガイド」 http://www.world-beach-guide.com/

Column

古関千恵子の世界極楽ビーチ百景

一口でビーチと言っても、タイプはさまざま。この広い世界に同じ風景は一つとして存在しないし、何と言っても地球の7割は海。つまり、その数は無尽蔵ってこと? 今まで津々浦々の海岸を訪れてきたビーチライター・古関千恵子さんが、至福のビーチを厳選してご紹介します!

2014.09.27(土)
文・撮影=古関千恵子