血栓症リスクが少ないピルも
――他にも最近の低用量ピルの新しいニュースはありますか。
8月17日には、先発品「ヤーズフレックス」のオーソライズドジェネリックの「ドロエチフレックス」が発売されました。ヤーズフレックスとは月経困難症や子宮内膜症の治療に用いられる最長120日間の連続投与が可能な超低用量ピル(LEP)で、第4世代タイプに当てはまります。
普通のピルでも生理痛は軽くなりますが、ヤーズフレックスは最長で120日生理を止めることができるので、そもそもの痛みの頻度も減らすことができる。今回そのヤーズフレックスのジェネリック「ドロエチフレックス」が発売されたことで、シート1枚あたりの自己負担額が2,000~3,000円ぐらいから830円ほどに下がりました。安価に手に入れることができるので、こちらも患者さんの負担が減る良いニュースだと思います。
――ここ数年で、低用量ピルの選択肢が増えているような気がします。
そうですね。最近になって承認された新しい薬でいうと、天然型エストロゲン配合のLEP「アリッサ」も知っていただきたいです。
2024年に承認されたアリッサは天然型の女性ホルモン「エストロゲン」を配合した保険適用ピルで、効能・効果として月経困難症が明記されています。
従来の多くのピルが含むエストロゲンはエチニルエストラジオール(EE)という合成型であるのに対し、アリッサで使われるエステトロールは、妊娠期の胎児肝臓で産生される天然型エストロゲン。従来のピルは血栓症リスクがある方は使えない場合がありましたが、アリッサは天然型エストロゲンを使用しているので、従来薬よりこうしたリスクの低下が期待されています。40代やアラフィフの方でも使える画期的なピルだと思います。
これまでは未承認で手に入らなかった、または自費診療で購入せざるを得なかったピルもありましたが、ここ数年で“すべて出揃った感”があります。「昔ピルを試したけど、体質や費用で諦めてしまった」といった方も、ぜひ医師に相談してみていただきたいです。
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産婦人科医 宋美玄先生
産婦人科医、医学博士、性科学者。丸の内の森レディースクリニック院長。2児の母。子育てと産婦人科医を両立しながらメディアにも露出し、セックスや女性の性、妊娠などについて女性の立場から積極的な啓蒙活動を行っている。
