ワシントン生まれの3兄弟も暮らす
福宝に次いで観覧者が多いのは、オスの小奇迹(シャオチージー)のエリア。小奇迹は、アメリカの首都ワシントンにあるスミソニアン国立動物園で生まれた。福宝と小奇迹の生年月日は約1カ月違い。2頭ともコロナ禍の2020年生まれだ。
小奇迹の兄で、同じくスミソニアン国立動物園で生まれた泰山(タイシャン)と贝贝(ベイベイ)もいた。筆者は以前、スミソニアン国立動物園とパンダセンターの雅安碧峰峡基地(以下、雅安基地)で贝贝を観覧していたので、贝贝の観覧は神樹坪基地で3カ所目だ。
午前11時ごろ泰山の前にいたら、飼育員がタケノコをあげ始めた。泰山は穏やかな顔つきでおいしそうに食べていて、見ている筆者も嬉しくなった。同じころ、近くのパンダたちにもタケノコがふるまわれていた。タケノコをあげる時間になると、観覧者が急増する。神樹坪基地の観覧エリアの多くは幅が狭いので、人が増えると移動しづらい。お目当てのパンダがタケノコを食べる様子を見たい場合は、早めに行って待機しておくほうがいいだろう。
臥龍の地で生まれ、上野動物園に約13年7カ月滞在したオスの比力(ビーリー)にも再会できた。比力とメスの仙女(シィエンニュ)は2024年9月に同園から帰国。日本名は、比力が力力(リーリー)、仙女が真真(シンシン)だ。
神樹坪基地では、修学旅行生らしき子どもたちが比力の前を通ったとき、引率の女性が中国語で「仙女……香香(シャンシャン)……」と話していた。筆者は中国語を理解できないが、この名前だけは聞き取れた。おそらく比力と仙女の娘が香香だと説明していたのだろう。
神樹坪基地のツーリストセンターに置かれていたチラシには、福宝、小奇迹、比力、マレーシアで生まれた谊谊(イーイー)の4頭が「熊猫F4」として掲載されていた(谊谊はすでにパンダセンターの綿陽基地に移動)。「F」はforeignerとのこと。4頭とも、中国国外で生まれた、もしくは滞在していたパンダだ。ちなみにF4のメンバーは固定ではなく、入れ替わる。
また、神樹坪基地は繁殖に力を入れている施設だ。比力は繁殖に向け、2025年1月に雅安基地から神樹坪基地へ移動した。時期にもよるが、神樹坪基地では子パンダを見られる機会が多い。筆者が訪れた日も複数の子パンダが公開されていて、子パンダたちはミルクを飲んだり、母親にじゃれついたりしていた。
オーストリアの首都ウィーンにあるシェーンブルン動物園で生まれたメスの福凤(フーフォン)は、子どもの双子を育てていた。福凤も双子として生まれている。筆者が2018年1月5日にシェーンブルン動物園へ行ったとき、福凤は1歳で、双子の福伴(フーバン)と母親の阳阳(ヤンヤン)と一緒にいた。その約11カ月後、福凤と福伴は2歳で中国へ渡った。
